ばっ金箱[★★]

[初出誌] 『無題』、「小学四年生」19736月号、8頁、57コマ

[単行本]  『ばっ金箱』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第5巻」1974121日 初版第1刷発行、8頁、57コマ

[大全集] 『ばっ金箱』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 320091028日 初版第1刷発行、8頁、57コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『無題』が『ばっ金箱』に変更

 

 [梗概] ジャイアンが激しくサッカーボールをキックしたので、ボールは鉄条網に触れて破裂してしまった。誰か代わりにボールを持ってこいと叫んだが、みんなボールを蹴破られていたので、のび太が「たまには、ジャイアンも買ってもらえ」と思い切って話してみた。

 

  ジャイアンは珍しく怒らないで、「こういうみんなで使うものは、みんなで買おうじゃないか」と提案した。公平でいいということになり、ジャイアンはみんなにお金をいれてもらうために、空き缶を回した。しかし、誰もお金を出す者がないので、ジャイアンは怒り出したが、のび太は「ジャイアンがまず入れるべきであると思った。

 

こうした光景を見ていたドラえもんはひみつ道具『ばっ金箱』を取り出した。悪いことをして叱られると、この箱が駆けつけて、一回につき十円の罰金を取るというものであった。いつのまにか、お金が貯まるのでみんな大賛成してくれた。

 

 「ばっ金箱」はいちばん叱られそうなのび太に家までついてきた。ママから「勉強…」と言われると、すぐ机に向かったので、叱られることもなかった。ママから「お部屋…」と言われると、散らかっているのですぐに片付けた。しかし、いつ叱られて、罰金を取られるかと思うと、おちおち勉強もできなかった。

 

 「ばっ金箱」が「ピピピ パチ」と音を立てて、出掛けていったので、後を追跡すると、ジャイアンが往来で先生に「いつも、そうじ当番をさぼってけしからん!」と叱られていた。

 

  すると、「ばっきん箱」はジャイアンのお尻のポケットから、強引に十円を取り上げた。ジャイアンが「かえせ」とばっきん箱をつかまえると、とても熱くて、手を離し、追い掛けられることになった。

 

 ジャイアンが逃げる途中、先生に「ドカン」とぶつかり、再度叱られると、ばっ金箱は今回もバッチリと十円を取り上げていた。ジャイアンはスネ夫に助けを求め、財布を預かってもらうことにした。

 

  財布も持たないので安心して家に帰ろうとすると、往来でジャイアンは近所の三組の奥さんから、うちの子どもをいじめたと言って、「ガミ ガミ ガミ ガミ ガミ ガミ」と叱られ、さらに、もう一人の奥さんからはイヌをいじめたといって叱られた。

 

  ばっきん箱が見あたらないので「ホッ」としていると、家からジャイアンの貯金箱を持ち出して、ばっきん箱はしっかりと罰金を徴収していた。

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