スケジュールどけい[★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1973年5月号、8頁、57コマ
[単行本] 『スケジュールどけい』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第3巻」1974年10月1日 初版第1刷発行、8頁、60コマ
[大全集] 『スケジュールどけい』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 3」2009年10月28日 初版第1刷発行、8頁、60コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『スケジュールどけい』に変更
「ツギ、テレビ」、「見たくもないのに」コマ挿入[57(1)]
「ドコニカクレヨウガ、カナラズ!」コマ挿入[58(7)]
「ピク」、「コッチダ!」コマ挿入[58(8)]
[梗概] のび太はいつものように「ポヤ~ン」としているので、ドラえもんが「なにを考えてるの?」と尋ねると、「あれをしようかそれともこれをはじめようかと、考えてるうちに…。時間がすぎちゃって、けっきょくなんにもできないの」と言う返事であった。
絵に描いたようなむだ使いのケースであったので、ドラえもんはひみつ道具『スケジュールどけい』を出している。
ドラえもんがカードにスケジュールを書いてこの道具に入れると、そのとおりすることになると説明した。「なんだ、つまらん」と言うので、ドラえもんは顔を真っ赤にして、「きみのだらしないとこをなおしてやろうと思って…」と怒鳴りつけている。
のび太は午後のスケジュールをカードに書いて入れようとしたが、あまりにもモタモタしているので、じれったくなったドラえもんが「ほらこうすれば」と言って、のび太の代わりに入れてしまった。
すると、この道具は「ブーン カチ カチ」と動き出し、ヤリのような手でドラえもんを「グイ」と突き、「2時半デス。勉強ノ時間デス」と命令し出した。のび太がやるんだと抗議しても、聞いてもらえず、机に座ってカードを入れたドラえもんが勉強をする羽目になった。
ママが三時のおやつにどら焼きを持ってきてくれたが、まだ3時までに9分あったので、食べさせてもらえなかった。その間に、のび太がどら焼きを全部ペロリと食べてしまった。3時になるとおやつがなかったけれども、「パク パク」と食べる仕草を強要されている。
3時20分にしたくもないのにトイレへ、3時半からは故障したテレビを見る羽目になった。その後、野球をすることになっていたので、外は雨が降っていたけれども、土管のある広場でひとりで投球練習やノックをすることになった。しずちゃんとのび太は土砂降りの中で、ドラえもんは野球が大好きだと言いながら見学していた。
あまりのばからしさに、ドラえもんはタケコプターを使って、スネ夫の家に隠れることにした。「スケジュールどけい」は自由に移動したり、喋ったりすることができるので、「ドコニカクレヨウガ、カナラズ!」と言いながら、スネ夫の家にやってきた。
スネ夫が知らないといっても、「スケジュールどけい」は宣言通り、「コッチダ」と言いながら、押し入れのふすまを「グサ」と突き刺すので、中から、「フンギャア」という悲鳴が上がった。
6時は食事の時間であり、今から帰っても間に合わないので、その時計は「スケジュールマモルタメ、ココデ食事シナサイ」と命令するので、ドラえもんはスネ夫のパパやママと一緒に、意気消沈した表情で食事をしている。
窓の外では、のび太がドラえもんを指さしながら、「その時計、ぼくはぜったいに使わないからね!!」と言い張っている。
[S0338・A0305・047305]