未来世界の怪人[★★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1973年3月号、10頁、64コマ
[単行本] 『未来世界の怪人』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第4巻」1974年11月1日 初版第1刷発行、10頁、70コマ
[大全集] 『未来世界の怪人』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 2」2009年8月30日 初版第1刷発行、10頁、70コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『未来世界の怪人』に変更
「22世紀時間警察局より、各時代へ…………」、「ジャイアンがいた!」コマ挿入[146(2)]
「宇宙ロケットが、強とうにおそわれた」コマ挿入[146(3)]
「宇宙ロケットが強とうにおそわれた」、「これがはん人だ」コマ削除[120(2)]
「これが、はん人だ」コマ挿入[146(5)]
「1973年ごろをけいかいすべし」、「きみがひろったのはギャングのカバンだぞ」コマ削除[120(3)]
「文字なし」コマ挿入[146(6)]
「あ、あ、あ、あっ」コマ挿入[146(7)]
「にげても、むだだぞ」、「ふふ……」コマ挿入[146(10)]
「バズッ」挿入[147(1)]
「この男のもってたかばんを、かえしなさい」コマ挿入[147(3)]
「せっかくおれが、ひろったのに」コマ挿入[147(4)]
[梗概] のび太はドラえもんから借りたひみつ道具『空気ピストル』を使って、ジャイアンに仕返しをすることにした。ジャイアンに往来で会って、仕返しをしようとすると、ジャイアンはひみつ道具『空気砲』を使って、逆に、のび太を「ドカン」と吹っ飛ばしている。
「空気砲」は未来の国しかないので、ジャイアンが持っているはずはないと、ドラえもんは考えた。目の前ののび太の姿を見て、何かの間違いではないかと思った。
次に、のび太はドラえもんからひみつ道具『かくれマント』を借り、透明人間になって出かけると、仕返しする前に、「どんな大きな動物でも、ちぢめてさそいこむ」ひみつ道具『万能わな』にかかって、閉じ込められてしまった。なお、のび太を閉じ込めたジャイアンはひみつ道具『ワッペン』で空を飛んで、どこかへ消えてしまった。
ドラえもんは「出してえ」という、のび太の間抜けな声が聞こえてきたので、行ってみると、のび太はガラスの器の中に閉じ込められていた。ジャイアンのようなやつが未来の秘密を握るとろくなことがないと考え、ドラえもんはのび太をワナから救い出す前に、ジャイアンを探しに出かけている。
ジャイアンはひみつ道具『雲かためガス』を使って、雲の上で休んでいた。ドラえもんが見つけると、ジャイアンは「こんな小さなカバンから、何でもでてくる」と自慢していた。
持ち主に返すように強く説得したが、空中でひみつ道具『くすぐりノミ』を「パッパ」と振りかけられて、ドラえもんは「ムケケ ヒヒヒ ゲラゲラ ウヒャヒャ」と悲鳴を上げながら落下して、地面に激突している。
ジャイアンはドラえもんのポケットの物ももらい、「これだけあれば、世界せいふくできるかもな…」と不気味な笑いを浮かべていた。
ガラスの器に閉じ込められたのび太は見知らぬ男に、器の外に出してもらうことができた。一方、ジャイアンはドラえもんのポケットから出したテレビを見ていた。時間パトロールからの緊急連絡が報道され、宇宙ロケットを襲った強盗の顔がテレビに映し出された。
ジャイアンや息を吹き返したドラえもんや罠から解放されたのび太は、目の前に強盗犯人が立っていることに気付いた。強盗犯人からピストルを向けられ、「きえてもらおう。にげてもむだだ」と脅迫されている時、タイムパートロール隊員が「バズッ」と射撃して、逮捕してくれた。
ジャイアンは隊員から、「この男のもってたかばんをかえしなさい」と言われると、「せっかくおれが、ひろったのに。ひろいぬしは一割もらえるはずだぞ。おくれよ」と執拗に食い下がっていた。それを見て、のび太は「ジャイアンもそうとうしつこいな」と思った。
[S0239・A0414・047303]