世界沈没[★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1972年11月号、8頁、52コマ
[単行本] 『世界沈没』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第4巻」1974年11月1日 初版第1刷発行、11頁、72コマ
[大全集] 『世界沈没』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 2」2009年8月30日 初版第1刷発行、11頁、72コマ
[梗概] のび太がひみつ道具『イマニ目玉』を付けて昼寝をしていたら、ものすごい大雨が降り出し、地球上の陸地がすべて水の底に沈むという、世界の終りの状況になっていた。船の上から、のび太とドラえもんはパパ、ママ、しずちゃん、ジャイアン、スネ夫を救い出し、みんなから命の恩人などと言われ、とても感謝された。
起こされたのび太は十時間後にダイヤルを合わせた「イマニ目玉」を付けて、世界の終りとも思える夢を見ていた。ドラえもんは今夜十二時に見るはずの場面を夢で見ていたと解釈し、「イマニ目玉」はうそをつかないので、必ず見た通りになるんだと断言した。
ドラえもんが気象台、テレビ局、新聞社、国連事務総長にも電話で、世界の終りの話をしても、誰ひとり信用してくれる人はいませんでした。土管のある広場で、遊び友達に話しても、ただ笑われるばかりであった。
信用する人がいないので、ドラえもんは「イマニ目玉」が故障しているのではないかと思い、ダイヤルを十分後にセットして、のび太に装着させている。すると、ママの怒った顔が見えたが、ママが夕方まで帰らないので、「イマニ目玉」は故障しているということになった。
しかし、ほどなく、ママが「バスに乗ろうとして、バックを開けたらカエルが…」と言いながら帰宅し、のび太を怒った顔で怒鳴りつけたので、「イマニ目玉」はうそをつかないことが証明された。
今晩の大雨に備えて、ドラえもんとのび太は『自動のこぎり』や『自動かなづち』を使って船を作り出し、ありったけの食料や家具などを積み込んだ。しかし、パパやママに今夜の大雨の話をしても、最後には「いいかげんにしなさい!!」と怒鳴られる始末であった。
七時二十分になっても、雨どころか、星が降りそうなきれいな夜空であった。あと一時間の十一時になっても、雲ひとつない夜で、二人は「ゴウ」、「グウ」といびきをかいて寝始めてしまった。
のび太が起きると、大洪水であり、一面泥水の海となり、世界の終りの様相を呈していた。みんなから、「のび太のおかげで助かった」、「命のおんじんだ」、「のび太くんありがとう」と絶賛された。
ちょうど、その時、ドラえもんから叩き起こされ、「洪水のゆめ見ておねしょなんかして!」と叱責された。それで、のび太も「ひるま見えたのは、このゆめかあ」と、納得しないわけにはいかなかった。
[S0235・A0410・047211]