悪運ダイヤ[★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1972年9月号、11頁、74コマ
[単行本] 『悪運ダイヤ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第8巻」1975年7月25日 初版第1刷発行、11頁、74コマ
[大全集] 『悪運ダイヤ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 2」2009年8月30日 初版第1刷発行、11頁、74コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『悪運ダイヤ』に変更
[梗概] のび太はきょうも、外を歩くと「ツルリ ステン」と転び、さらに、電気工事をしていた人が落としたペンチを頭に「ゴチ」と受けている。家の廊下では、ママの落とした画びょうを踏んで「ピギャア」と絶叫している。
本当に運の悪いのび太を見て、ドラえもんはひみつ道具『悪運ダイヤ』を出している。このダイヤは見かけは美しいがおそろしい力を持っている。
ダイヤをのび太に持ってもらい、ドラえもんが金づちで自分の頭を「ゴチン」と叩くと、ドラえもんは平気であるが、のび太は「アイ タタ タッタ」と頭を抱えて、七転八倒している。このように悪いできごとを、ダイヤといっしょに人にうつすことができる。
悪運をだれかにうつすため、のび太はこのダイヤを持って、外に出かけた。しかし、いざとなると気の毒で、なかなかダイヤを渡す人が見つからなかった。
そこで、わざと道に落とすことにした、しばらくすると、しずちゃんが「まあきれい!!」といって拾おうとしたので、まずいと思ってふたりは「ダ ダ ダ ダ」と塀のかげから飛び出した。ドラえもんがダイヤを拾うと、横でのび太が「ステン」と転んだので、ドラえもんが「アイタ」と叫んでいる。
だれもダイヤを拾おうとしないが、スネ夫がやってきて、「さっき落としていった」ものだと言いながら持っていってしまった。安全になったとたん転びもしなくなったので、やってきたジャイアンに、「ジャイアンのばか」と告げた。ジャイアンが「カッ カッ カッ」として、「なにィ!? ぶんなぐってやる!!」と近づいてきた。
そこへ、先ほどダイヤを持っていったスネ夫が「良心がゆるさない」と言って、強引にのび太のポケットに入れて帰ってしまった。「グイ」とジャイアンに首根っこをつかまれ、殴られる寸前に、ドラえもんが「タケコプター」を使って、のび太を空中に避難させている。
家に帰って横になっていたら、「だれかがぼくのかわりにひどいめにあうなんて悪いもの」という考えになり、のび太は外へダイヤを探しに出かけた。見知らぬ人がダイヤなど知らないと言っているのに、のび太が「ほんと? もしもかくしてもってたらひどいめにあうから」と執拗に追求したので、「ばかにするな!!」と頭を殴られてしまった。
のび太は殴られても、全然頭が痛くなかったので、だれかが拾ったことがわかった。だれが拾ったかを見つけるために、ドラえもんに頭をトンカチで「ゴチ ゴチ」なぐってもらって、町の中を歩いていた。よそ見していたら、「ドブン」とミゾに落ちたが、全然濡れなかった。
その頃、ジャイアンは顔を真っ赤にして、「やたらに頭がゴチゴチいたいし、とつぜんずぶぬれになるし、おれはもう頭にきた!!」と怒りまくっていた。のび太がドラえもんに頭をトンカチで殴られている姿を見て、「ウオー」と近づいてきて、のび太の胸ぐらをつかんで、「ボカ ボカ ボカ」となぐりまくった。
ジャイアンが満身創痍で、「アイタタ アイタ~」と絶叫して、七転八倒しているのを見て、ジャイアンがダイヤを持っていることがわかり、ドラえもんも「もうしばらく持たせておこうか」とのび太に話していた。
[S0233・A0807・047209]