コベアベ[★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1972年4月号、9頁、54コマ
[単行本] 『コベアベ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第1巻」1974年8月1日 初版第1刷発行、9頁、56コマ
[大全集] 『コベアベ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 2」2009年8月30日 初版第1刷発行、9頁、56コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『コベアベ』に変更
「こういうおもしろいふえは」、「うんとつかわなくちゃ、もったいないな」コマ挿入[61(8)]
「まだ、げんかんでうろうろしてやがる」、「ようし……」コマ挿入[63(4)]
[梗概] のび太はしずちゃんとの約束があるので、帰ってから部屋の後片付けをするといっても、ママから「いつもそんなこといってやったことがないでしょ」とどうしても許可が出なかった。
その上、さらに「ガミ ガミ ガミ」と長時間にわたってお説教を受けることになった。お説教の最中に、ドラえもんが「ペ~」とひみつ道具の『コベアベ』という笛を吹き出した。
この笛は「音波が神経の働きをかえて、頭で考えてることと、あべこべのことをやらせる」 ママがこの笛の音を聞くと、のび太の頭をなぜなぜし、「よくかあさんのいうこときかなかったわね。おそうじなんかいいから、早く遊びに行ってらっしゃい」となる。
ドラえもんがタオルを持ってお風呂に入ってきれいになるんだという時、のび太がこの笛を吹くと、ドブに「ドブン」と飛び込んで、全く逆になった。ジャイアンが「買ったばかりのバットの、なぐりぐあいをためさせろ」とスネ夫に要求した時、この笛の音を聞くと、ジャイアンは「このバットおまえにやるよ。おれをなぐってくれ」となった。
しずちゃんの家にこの笛を見せに行くと、強盗がしずちゃんとママを荒縄で縛り上げ、出刃包丁で脅していた。のび太がこの笛を「ペ~」と吹くと、強盗がのび太にお茶を出し、強奪した自分のお金も差し出した。
のび太のつばが詰まって笛が吹けなくなると、強盗は出刃包丁を振りあげてのび太を襲ってきた。笛の音が再開すると、強盗は交番に自首して、お巡りさんに「おれを捕まえてください」と頼んでいる。
のび太が家を出る前、ドラえもんは笛によって部屋を強制的に掃除させられていた。そのため、のび太が家に帰ると、見違えるほどきれいになっている部屋を見たママがおやつをうんとあげましょうといって、蒸かしまんじゅうを六個持ってきてくれた。
ドラえもんが復讐のため、笛を吹くと、ママは「よくもかあさんのいうことをきいたわね」と言いながら、のび太のほっぺを「ピシャ ピシャ」殴り、まんじゅうをママ自ら「ムシャ ムシャ」と食べ出した。
[S0228・A0105・047204]