タイタニックロボ[★]
【道具解説】 ひみつ道具である『タイタニックロボ』はスネ夫の「グランロボ」に対抗して、ドラえもんの『四次元ポケット』から取り出された、十六箱からなるロボットのプラモデルである。
全長十メートルもある巨大なロボであり、コントロール装置を取り付けると、自由自在に大空を飛ぶことも可能である。なお、「タイタニックロボ」は単三四本で、十時間以上飛び続けることができる。
【使用目的】 のび太はスネ夫の正義の味方「ラジコンロボ」にパンチを食らったので、ドラえもんに「タイタニックロボ」を出してもらっている。
【使用結果】 のび太が「タイタニックロボ」の操縦室に入って、運転を始めると、「ウガガー」の声とともに空に飛び出すことができた。「ウヒャ ハハハ キヒャ ヒヒヒ」と大喜びしていると、スネ夫のグランドロボと決闘する気持ちになり、「ゴゴ ゴゴ ゴゴ」とスネ夫とジャイアンが遊んでいる広場までひとっ飛びした。
タイタニックロボをグランドロボが見ると、「ギギー ガー」と奇声を発し、殴りかかってきたが、タイタニックロボが「ヒョイ ズシ ペチャ」と踏みつぶしてしまった。スネ夫は「ペラペラになったあ」と泣きじゃくっていた。
「どこでもドア」で帰って、宿題を始めようとしたら、タイタニックロボは勝手に「ズシン ズシン」と動きだし、腕であたりの木々を「バキ メキ メキ バリ バリ」となぎ倒し出した。
そこへ、ドラえもんが帰ってきたので、操縦室に入って点検すると、コントロール装置を作りまちがえていることに気づいた。電池が切れるまで操縦を続けるほかないということになり、山がメチャメチャになるので、ひとまず空を飛ばせることになった。
単三の電池が四本で動いているので、電池が切れるまでにはあと十時間以上かかることがわかった。宇宙怪獣なんかと戦えば、すぐエネルギーがなくなるけれども、そんな使い道がザラにあるわけもないので、十時間飛び続けるしかなかった。
のび太が「宿題があるんだ。おろしてくれえ!」と泣いて叫ぶと、ドラえもんは「かってにつくるからいけないんだ!!」と怒鳴りつけている。
吹雪になり、飛び続けても全然電池のエネルギーがへらなかった。下を見ると三人の子どもたちが倒れていたので、ロボットからおりて、聞いてみると、この山を越えた谷沿いにある村へ帰る途中であった。
三人をロボットに乗せて飛んでいるとき、「ぼくらの家がこっちの谷、分校は反対側の山のふもと。毎日三時間歩くんだよ」という話を聞いているうちに、村に到着した。
あいだに山さえなければ、苦労しないと思っていると、いい考えが閃き、ロボットにトンネルを掘ってもらうことにした。「ドカン ドカン」と掘り進み、ちょうど掘り抜いたときに電池が切れてしまった。そのトンネルの入り口に、「学校へ近道」という看板を立てて帰宅した。
家に帰ると、ママから「勉強もしないで、どこへいっていたの!!」と説教された。机に向かって宿題をしているとき、のび太は「ロボットの電池があるうちに、学校をこわしてわけばよかった」とつぶやいていた。かたわらのドラえもんは「むちゃいうな」と諭している。
[S10283・A23173・038002:266]