夜の世界の王さまだ![★★★]

[初出誌] 『無題』、「小学四年生」197112月号、13頁、97コマ

[単行本]  『夜の世界の王さまだ!』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第6巻」197511日 初版第1刷発行、13頁、100コマ

[大全集] 『夜の世界の王さまだ!』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12009729日 初版第1刷発行、13頁、100コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『無題』が『夜の世界の王さまだ!』に変更

 「ああ……」コマ挿入[11(8)]

「なにしろ、ぼくは王さまなんだから」、「わっはっは」コマ挿入[13(3)]

 

「ちえっ、かすりもしない」、「スポ」コマ挿入[15(8)]

「グウというのはゆるすという意味ですね」が「それは、ゆるすという意味ですね」に変更[17(1)]

 

[梗概] 「学校から帰るだろ。つかれているから、ひるねするだろ。友だちと遊ぶと、また、つかれてねるだろ。夕食のあとは、テレビを見るだろ。終わるころにはがっくりしてねるだろ。これじゃ勉強の時間がないのもあたりまえだ」というのが、のび太の言い分であった。

 

 そして、24時間の半分をねているので、死んでるのと同じこの時間を、全部勉強に置き換えて使えたら、2倍生きることになるといった論を展開し出した。そうして、のび太はこうしたことを可能にする薬がないかどうかをドラえもんに尋ねている。ドラえもんはそうした薬はあるが、ばかばかしくて誰も使わないと、回答している。

 

 のび太は強引にひみつ道具『一つぶ24時間! ねむくもならないし、つかれもしない薬』を出してもらっている。夜になると、のび太は10時から2時まで勉強、あと6時まで四時間遊びに当てる計画を立てた。

 

 「日本一の秀才になれるかも」とほくそ笑んでいたが、机に向かうと、「ムグ ムグ」とはなくそをほじくり、一ダースも机に並べ、何やっているんだと猛反省している。

 

 おなかがすいたので、ドラえもんを起こし、ラーメンを作ってもらうため、ママを起こすひみつ道具『ムユウボウ』を出してもらった。ママにラーメンを作ってもらったが、ママがのび太が食べるまえに全部食べてしまったので、気分をこわしたといって、遊びを先にすることにした。

 

 本を読もうとしたら、読んだものばかりであったので、立てた本を「パタ パタ パタ」と将棋倒して遊んでいたが、すぐあきてしまった。

 

 起こしても眠いというので、「ロボットのくせにねむいなんて」と怒鳴ると、「ロボットが、ねむたくちゃ悪いか!」と大声で言い返すので、パパとママに叱られてしまった。布団に入っても、目が「ギロ ギロ」して全く眠れないので、「ムユウボウ」でドラえもんを外に連れ出して、遊ぶことにした。

 

 真夜中歩いていると、この夜の王様になったような気分になり、道に大の字になってひっくり返ったり、道いっぱいに落書きをしたりした。思ったよりつまらないので、「グウ」と寝ているドラえもんに友だちを起こしてきてくれと頼んでいる。すると、「フンガー」、「グーピー」と寝ている四人の男の子を連れてきた。

 

原っぱでナイターを始め、ジャイアンにボールを投げさせて、のび太が打とうとしたが、何回打ってもかすりもしなかった。

 

しかし、当たるまで打とうとし、「昼間だめなことは、夜やっても、だめだなあ」と思っていたら、まぐれに「ポコ」と当たって、「ガチャン」と窓を割ってしまった。すると、みんなクモの子を散らすように、家に帰って行ってしまった。

 

 のび太も逃げようとしたが、よくないと思って正直に謝りに行った。寝たまま出てきた怖いおじいさんに、お宅のガラスを割りましたと謝ったら、「グウ」という返事だった。「それは、ゆるすという意味ですね」と尋ねると、「グウ グウ」との返事だったので、「お休みなさい」といって帰ることにした。

 

 寒い夜にうろついていることがばからしくなってきた。「あったかいふとんで、ぐっすりねる! こんな楽しいことがあるか」と確信して、家に帰って、ドラえもんにくすりを消すくすりをおくれと頼んで寝ることにした。

 

 翌朝、のび太があくびをしながら登校していると、ジャイアンが「夜中に、野球をやったゆめ」を話すと、スネ夫も「えっ、きみもみたの?」と驚いていた。

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