プロポーズ作戦[★★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1971年11月号、12頁、79コマ
[単行本] 『プロポーズ作戦』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第1巻」1974年8月1日 初版第1刷発行、12頁、83コマ
[大全集] 『プロポーズ作戦』、「藤子・Ｆ・不二雄大全集 ドラえもん 1」2009年7月29日 初版第1刷発行、12頁、83コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『プロポーズ作戦』に変更
「ハッ」コマ挿入[147(3)]
「おねがい！ いいでしょ」挿入[147(4)]
「わたしと別れて五分もたっていないのに」コマ挿入[147(5)]
「わたしと別れて五分もたっていないのに」削除[115(4)]
「な、なにかご用ですか」、「あんないじわるしといて」コマ挿入[150(2)]
「ゆるして……」コマ挿入[150(3)]
[梗概] 今日はのび太のパパとママの十二回目の結婚記念日である。ママはごちそうを用意し、パパもバラの花束を買い、いつもより早めに帰宅している。食事をしている時に、結婚のころの話が話題になり、ママが「パパはわたしに…、けっこんしてくれなきゃ、死んじゃうって」と言い出した。
それを聞いて、パパは話があべこべで、「けっこんしてくれといったのはきみだぞ、なみだをながしてたのんだろ」と反論して、激しい夫婦げんかになってしまった。
ドラえもんがひみつ道具である『うそ発見器』で調べると、なぜか、どっちも本当だということになった。さらに、夫婦げんかがエスカレートしておさまりそうもなかったので、ドラえもんとのび太は結婚の申し込みがあった昭和三十四年十一月三日の公園に「タイムマシン」で調べに行くことになった。
公園では、ママが「ソワ ソワ」しながら、ベンチで一時間以上もパパが来るのを今か今かと待っていた。そこへ、パパが「ドタ ドタ」と、「時計がくるちゃってましてね。これだから安物は困るんだ。アハハハ」と言い訳しながらやってきた。
悪いことに、その時計はママからのプレゼントであったので、「時計のせいにするなんて、ひきょうよっ！！」と猛烈に腹を立てて、ママはベンチから駆け足で離れてしまった。
パパがママに追いつくと、メガネを掛けていないママは見知らぬ男性の手を引きながら、「お話を聞きましょ」と言ってベンチの方へ戻って行った。
それを見たパパは「あんないじわるとは、思わなかった。きょうこそ、けっこんをもうしこもうと思ってたけど、やめたっ！」と猛烈に怒りくるって帰ろうとしていた。ドラえもんとのび太がその光景を見ていて、「なんだかまずいことになってきた」と本当に困っていた。
ベンチでは、メガネをかけたママが人違いであることに気づき、「あらら、いやだわあ！」と驚き、相手を「ドン」とついて、その場を走り去った。
すると、目の前で、パパに若い女の子が抱きついているのを目にしたので、ママはハンカチを「キイ」とかみながら、「もう、顔も見たくない」と言って、再度立ち去っている。なお、若い女の子はママの知らない、パパの妹であり、小遣いをせびられているところであった。
事態はますます悪くなる一方であり、結婚どころではなくなったので、のび太はドラえもんに「なんとかしてくれえ！」と顔を真っ赤にして頼んでいる。
ドラえもんはひみつ道具である『ヒトマネロボット』を取り出し、ベンチで怒りながらタバコを吹かしているパパにそっくりになれと命じている。そのロボットがベンチに座っているママを見つけたので、ドラえもんはマイクを使って、そのロボットに「おう、玉子さん」と言わせている。
「しらないっ！」と冷たい態度をとられたので、両手で拝みながらそのロボットに「ぼくとけっこんしてくれなきゃ、死んでしまう」と言わせているので、ママも「野比さん！！ あなたそんなにわたしのことを！？」ととてもいいムードになった。
さらに、ドラえもんがロボットにママになれと命ずると、ベンチに座っているパパのところへ「野比さあん」と叫んで飛んで行き、怒っているパパの背中に顔をうずめて「許して…。どうかわたしをおよめさんにして」と涙を流して頼みこんだ。びっくりしたパパは「ゆめじゃないかしら」と自分のほっぺを強く引っ張っている。
「タイムマシン」で調べると、二人の主張することは本当であることがわかった。しかし、二人のけんかの解決にはつながらないと思いながら、家路に着いて部屋を調べると、どの部屋にも二人がいないので、ドラえもんも「きっとりこんして、家出しちゃったんだ」と思った。
すると、庭の方で声がしたので耳を傾けると、パパとママの「どっちでもいいじゃない。いま、ぼくたちはしあわせなんだから、それでじゅうぶんさ」という声が流れてきた。
[S0141・A0112・047111]