ドラえもんの歌[★★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1971年10月号、14頁、97コマ
[単行本] 『ドラえもんの歌』、「藤子不二雄ランド ドラえもん短編第1巻」1984年6月8日 初版発行、14頁、102コマ
[大全集] 『ドラえもんの歌』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1」2009年7月29日 初版第1刷発行、14頁、102コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『ドラえもんの歌』に変更
「もっと誰かに聞かせたい」コマ挿入[141(8)]
「ボエ~」コマ挿入[143(8)]
「ボゲ ゲ~」、「なんとかしてえ」コマ挿入[144(6)]
「ドラえもんをとめるには…」コマ挿入[144(7)]
「みんなみんな出て来~い」コマ挿入[145(7)]
[梗概] ジャイアンが誘いに来た時、のび太は押し入れに隠れて、居留守を使おうとした。ジャイアンの独唱会に対して、ドラえもんは「歌ぐらい聞いておだててやればいいじゃないか」と発言しているが、のび太は「おんちの怪獣が化けて出たような声だぞ」と形容し、断固拒否したい気持ちを吐露している。しかし、強引に誘われたので、みんなと一緒に広場で聞くことになった。
ジャイアンはミカン箱の上で、「ボエ~ オエエ~ ギア~」と絶唱していた。終わったあと、ジャイアンが「おれってつまんない男だけどよ。歌だけは自信があるんだ」としみじみ語ると、スネ夫が「きみならすぐにでも歌手になれるよ」とおだてたので、ジャイアンはリクエストに応えてもう一曲歌うことになった。
ドラえもんが『音の消えるマイク』を持って、広場に行くと、歌でショックを受け、ぶっ倒れてしまった。そのマイクをなんとか手渡すと、ジャイアンの声は聞こえないので、みんなホッとして大喜びであった。
ドラえもんは広場で音にぶつからないようにはって進んでいる間に、何かを飲み込んしまった。帰る時、「フラ フラ」と歩きながら、ドラえもんは急に歌いたくなっとのび太に告げている。
のび太の前で歌うと、ジャイアンよりひどいと言われたので、ドラえもんは芸術の分かるジャイアンの前で歌うことにした。ドラえもんが「ボエ~」と歌い出すと、ジャイアンが「や、やめろ!」と叫んだ。激怒したドラえもんから「芸術のわかんやつは人間じゃないっ」と言って、ジャイアンは殴り倒されてしまった。
ドラえもんがしずちゃんやスネ夫の前で「ガガ~」と歌うと、二人は卒倒しそうになった。「ウ~ ウ~」と怒り狂ったドラえもんに対して、二人は「感げきしたあ。おじょうずね」と言わざるを得なかった。
家に帰ると、ドラえもんはのび太に独唱会を開くと言い出した。のび太から止めろと忠告されたので、歯をむき出しにして、怒りをあらわにした。のび太はまるで人が変わったみたいだと思った。
ドラえもんが家で歌の練習を始めると、窓ガラスにひびが入り、ついには、「ガシャ ガシャ」と割れ、戸棚の物も「ドサ ドサ」と落ち出した。のび太は大きな危機感を持ち、「タイムマシン」に乗ってセワシを呼びに行くことにした。
運命の夜が来ると、ドラえもんは『人を呼び出す電波』を出して、強制的に、ジャイアンを筆頭に町内の子どもたちを土管のある広場に集めて、リサイタルを開始した。みんなもあきらめ、ジャイアンも「ナムアミダブツ…」と唱えながら、聞こうとした瞬間、間に合ったセワシが電子銃でドラえもんを気絶させて、リサイタルを中止にした。
家に帰って、ドラえもんの頭部を開いて、調べてみると、マツムシが電子頭脳に入りこんで狂わせていることが判明した。
[S0140・I0111・047110]