ロボ子が愛してる[★★★]

[初出誌] 『無題』、「小学四年生」19719月号、12頁、75コマ

[単行本]  『ロボ子が愛してる』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第2巻」197491日 初版第1刷発行、12頁、76コマ

[大全集] 『ロボ子が愛してる』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12009729日 初版第1刷発行、12頁、76コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『無題』が『ロボ子が愛してる』に変更

 「まあっおかわいそう!!」、「おつかいにいかされるなんて」コマ挿入[21(7)]

 

[梗概]  ピーナッツを空中に放り投げて口で受けて、「ポリ ポリ」食べるのがのび太の特技であった。女の子がキャーキャー喜んで、コーチして欲しいというので、のび太はしずちゃんの家に行くことになった。

 

  しずちゃんはじょうだんのつもりで言ったのを、のび太が本気でとらえたので、しずちゃんは二人の女友達に電話を入れて、見に来てもらった。


 のび太が模範演技を見せると、女の子たちは「おじょうず」と言いながら、「パチ パチ」拍手をしていた。そこへ、スネ夫が「おもしろいゲームを買ったんだけど、三人たりないんだ。うちへこない?」と誘いをかけると、三人は喜んでついて行ってしまった。

 

  残りのピーナツをしずちゃんの家で全部食べてしまったので、のび太はのどがかわいて野比家の流し場で水を飲んでいた。


 ドラえもんには、のび太がさりげなく笑っているが、しずちゃんたちがスネ夫と一緒に行ってしまったことで、どんなに傷ついていたかがよく分かった。のび太にとって、女の子から拍手されることはめったにないことであり、その上、裏切られてしまったのだ。そのため、ドラえもんは未来の世界へ行ってとびっきり上等なガールフレンドを連れてくることにした。


 ドラえもんの連れてきたロボ子が紹介されると、のび太はあまりにもステキな女の子であったので、顔は真っ赤になり、心臓は「ドキーン ドキーン」と高まり、しどろもどろになってしまった。ほんとに友だちになってくれるか、心配になったので、ドラえもんに尋ねると、「きみだけを好きになるように調節してある」との返事であった。


 ロボ子が「二コッ」と笑うので、のび太は「モジ モジ」しながら、「ほんとに、ぼくの友だちになってくれる}と尋ねると、「もちろんですわ」と答えてくれた。そして、得意なピーナッツ放り投げ食いを披露すると、ロボ子は「キャ~ ワー ワー」と騒ぎ、「あざやか!!」と叫んで、その上、テープと紙吹雪で大歓迎してくれた。

 

  のどがかわいたと呟くと、ポリ製の大きなタライに水を一杯持ってきてくれた。おかしなところがあったが、のび太にはとてもうれしかった。

 

 ロボ子がのび太の宿題ノートを見ると、「まあ」と一度は驚いたが、すぐに、「すてき!! こういう個性的などくそう的なまちがいは、だれにもやれるもんじゃないわ」と誉められ、その上、「先生むきの答えをかいておきましょうね」と直してもくれた。


 ママがお使いをのび太に頼むと、ロボ子は「まあっおかわいそう!!」と言いながら、ママから買い物カゴを奪って、外に飛び出した。のび太が追い掛けて、「悪いよそんなきみになにもかもやらせちゃ」と話すと、「なんとやさしいかた」と言いながら路上で、ほっぺにチュウをしてくれた。


 広場の土管の上で、ロボ子から「わたし以外の人好きになっちゃいやよ」と言われたので、のび太は「なるもんか、ぜったいに!! 約束するよ」と右手を高く掲げて宣言している。その後で、ロボ子に「ギュ」と握手されると、のび太の左手がはれるほどの「すげえ力」であった。


 仲のいい二人を目にしたジャイアンとスネ夫がのび太に石を投げつけると、ロボ子は二人を「グイ」とつかみ、「のび太さんにいじわるすると、わたしが許しません!!」と絶叫しながら、空中高く持ち上げて「ズシン」と大地に叩きつけている。

 

  のび太が「きみ、強いんだなあ」と称賛すると、ロボ子は「百万馬力」の力があるのよと言うので、のび太は大いにビビってしまった。

 

 しばらくすると、路上で、しずちゃんが「さっきはごめんなさい。、ゆるしてくだする?」と言いながら、のび太の手をつかんだ。すると、ロボ子から、嫉妬の火花が「バチッ バチ バチ」と散ったので、のび太はしずちゃんから急いで離れている。

 

  さらに、仲良しのポチの頭をなでたり、ママから「どこで道草をくってたの!!」と叱られると、ロボ子が凄い形相で攻撃しようとするので、のび太は必死に押さえようとしている。


 家に帰って、のび太はドラえもんに「もっとおとなしいロボットはない」と頼むと、「いいロボットはかりちんが高いんだよ」と言われてしまった。しばらくすると、女装をしたドラえもんが「ねえ、お友だちになって」としなだれてきたので、のび太は「ゾオ~」としてしまった。

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