アリガターヤ[★★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1971年8月号、12頁、82コマ
[単行本] 『アリガターヤ』、「てんとう虫コミックス ドラえもんプラス第3巻」2005年8月25日 初版第1刷発行、12頁、84コマ
[大全集] 『アリガターヤ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1」2009年7月29日 初版第1刷発行、12頁、84コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『アリガターヤ』に変更
「カーン」、「ワー ワー」、「野球やってる」コマ挿入[81(9)]
「空ぶり………」、「今のうそっこ」、「は、はいっ」コマ挿入[83(8)]
[梗概] のび太は気安く、スネ夫からカバンを家へ届けて欲しいと頼まれた。のび太がスネ夫の弟やお使いのイヌに頼んでも断られてしまった。帰りが遅いので、ドラえもんが探しに行くと、のび太はぽつんと川岸に座っていた。
ドラえもんに、「ぼくは、だれのいうことでもきいちゃう。それなのに、だれも、ぼくのいうことをきいてくれない。…、いっそ、川へ身投げしようかと」と言い出した。ドラえもんはひみつ道具である『アリガターヤ』を取り出し、だれでも、のび太の言うことを聞くようにしている。
のび太がこの道具をつけて、ドラえもんに「このカバンをスネ夫とジャイアンの家にとどけて」と告げると、ドラえもんはオーバーなほど、鼻歌交じりで喜び勇んで、カバンを届けに行ってしまった。ママに宿題を頼むと、「ラン ラン ララララン」と歌いながら、ママは宿題を始め出した。
のび太はイヌに追われたが、助けてと叫ぶと、イヌにも効き、イヌをチンチンさせたり、お回りさせたりして、自由自在にコントロールすることができた。
学校で野球をやっていたので、のび太がひと言しゃべると、ジャイアンはドバーと涙を流しながら、「どうぞ、おれのかわり」と交代してくれ、スネ夫も他の選手も涙を流しながら、ごもっとも、ありがとうございますという言葉の連続であった。のび太が野球なんかやめようというと、みんなハーイと賛成してくれた。
のび太がみんなからリンゴやケーキの歓待を受け、「カラスの色は白いぞ」と発言すると、スネ夫は「はいはい、まっ白でございます」と答えている。ドラえもんから調子に乗るなといわれても、「ベエ」といえば、ドラえもんにとって「ありがたいお言葉!」となり、のび太は有頂天になってしまた。
のび太が「やめられないや」と言いながら、歩いていると、強い風が頭の上のリング(アリガターヤ)を吹き飛ばしてしまった。のび太が追い掛けると、リングはイヌの頭の上に乗って、輝き出した。
帰りが遅く、心配になったドラえもんが出掛けて探し回ると、イヌに「ワン」とほええられ、のび太は「ありがたいおことば」と言い、電柱に片足を挙げながら、おしっこをかけるしぐさの最中だった。
[S0138・B0308・047108]