ロボット福の神[★★]
[初出誌] 『無題』、「小学四年生」1970年7月号、15頁、102コマ
[単行本] 『ロボット福の神』、「藤子不二雄ランド ドラえもん短編第1巻」1984年6月8日 初版発行、15頁、104コマ
[大全集] 『ロボット福の神』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1」2009年7月29日 初版第1刷発行、15頁、104コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『無題』が『ロボット福の神』に変更
「あげるといったらあげる!!」「いらないったらいらない」コマ挿入[105(6)]
「待てーっ!!」コマ挿入[107(6)]
[梗概] のび太が貯金がたまらないと嘆いていると、ドラえもんの調整している『ロボット福の神』が部屋の中に入ってきた。このロボットのスイッチを押すと、「ワハハハ」と笑い出し、「この声にふくまれる周波数が聞く人の頭に共鳴現象をおこさせてやさしい気持ちにし…、スイッチを入れた人に親切にしたくなる」ひみつ道具である。
ドラえもんからまだ調整中なので、いじっちゃダメだと、注意されたが、のび太がスイッチを押すと、ロボットがママのところへ「トコ トコ」歩いていき、「ワハハハ」と笑い出した。すると、ママは「ほしがっていた自転車を買ってあげる」と言ってくれた。
外へ出て、このロボットが笑い声を振りまいたので、見知らぬ人たちが『オバQの本』などをママに持ってきてくれた。スネ夫も、のび太に抱きつき、今までのいじわるをゆるして欲しいと謝罪し、ドイツ製の万年筆をくれた。
ジャイアンはあげたい物を持っていないので、「あなたのどれいでございますなんでもいいつけてくださいな」と両手をギュッと握りしめて哀願している。
見知らぬ女の子が、へんなロボットがドブに落ちたと知らせてくれると、ジャイアンはドブに飛び込んで、ロボットを拾い、のび太に手渡してくれた。スイッチを切った途端、ジャイアンは「ニャロメッ!」と激怒して、のび太を殴りつけたので、再度スイッチを押した。
すると、変な声で「ゲヒゲヒ ゲヒヒヒ」と笑い出したので、ジャイアンをはじめ、多くの人たちが腹が立つと言いながら、のび太を追い掛け出した。のび太が石につまずいて、ロボットを投げ出すと、「ワハハ ワハハ」と笑い出した。すると、形勢が逆転して、何でも命令してくださいとの合唱になったので、みんなに退散してもらった。
しばらくすると、見知らぬ大富豪につかまって、「あのやしきも全財産もチミにゆずるよ。これにサインすれば、全部チミの物だ」と言われた。しかし、執拗に断ると、たまたま近くにいた泥棒までが「ぼっちゃんくれたものはもらわなくちゃいけませんぜ」と忠告し、「あっしのぬすんだばかりのこの品を」差し出した。
断ると、追い掛けられたので、お巡りさんを呼ぶと、お巡りさんは泥棒を逮捕してくれた。そして、逮捕したおまわりさんは「取り立てのドロボーです」とのび太に手渡そうとした。
のび太が逃げ回っていると、ドラえもんが助けに来てくれた。テレビでは「国会は日本国を野比のび太氏にあげることを決議しました」というニュースが流れていた。ドラえもんがロボットのスイッチを切ると、即座に「国会はさっきの決議を取り消しました」というテレビのニュースに変わった。
万年筆ドロボーと叫んで追い掛けてきたスネ夫はドラえもんの捨てたロボットを拾って、スイッチを押しながら、「くれるものはもらえばいいんだ」とつぶやいた。すると、東京都のマークを付けたバキュームカーの運転手が「くみ立てのをあげるよ~」と、スネ夫に声を掛けてくれた。
[S0110・I0108・047007]