スパイ大作戦[★★★]

[初出誌] 『無題』、「小学四年生」19705月号、15頁、113コマ

[単行本]  『秘スパイ大作戦』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第1巻」197481日 初版第1刷発行、14頁、114コマ

[大全集] 『秘スパイ大作戦』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12009729日 初版第1刷発行、14頁、114コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『無題』が『秘スパイ大作戦』に変更

 「あーつ、やったァ」が「ああつ、やったあ」に変更[119(2)]

 「おーいちょっと」が「おういちょっと」に変更[121(6)]

 「助けてーっ」が「助けてえっ」に変更[122(6)]

 

 「あ~ん、たのもしいよドラえもん」が「ああん、たのもしいよ、ドラえもん」に変更[123(2)]

 「ただいまーっ」が「ただいまあっ」に変更[126(8)]

 「けっさく!みんなにおしえよう」が「アハハハ、けっさく!みんなに教えよう」に変更[128(1)]

 

 「これは決定的だよ!」、「こんなことがみんなに知れたら、スネ夫はおもてを歩けないね」コマ挿入[129(7)]

 「えーい、ムシャクシャする!!」が「ええい、ムシャクシャする!!」に変更[130(1)]

 

 「みーちゃったみーちゃった」が「見いちゃった、見いちゃった」に変更[131(2)]

「カ、ビ、ン」が「カ、ビ、ン。お、む、つ」に変更[131(6)]

 

[梗概] のび太は学校の先生の花瓶をスネ夫の目の前で「ガチャン」と落とし壊してしまった。黙っていてやる代わりにと、スネ夫はのび太に教室の掃除、マーケットでのお肉の買い物、ドブに落ちた野球のボールさがしを命令した。

 

  特に掃除では、スネ夫は嫌がることを進んで引き受けようと言いながら、掃除当番を帰したので、「スネ夫さんて、神様みたい」とみんなから称賛されている。さらに、広場で遊んでいる友だちに「カビン」というおまじないを唱えると、のび太はなんでもいうことをきくと知らせている。

 

 ドラえもんに相談すると、「なんという悪いやつだ!!」と憤慨し、早速学校へ「タケコプター」で行って、壊れた花瓶にひみつ道具である『復元光線』を「ピカ」と当て、「パカ」と元の状態に復元している。

 

  のび太の弱みが消えたので、ドラえもんは『スパイセット』を取り出し、スネ夫の弱みを徹底的に探ることにした。「スパイセット」の目玉・耳は自由に取り外しができ、ひとりで自由に移動できるテレビカメラ・集音マイクであり、その上、映像・音声をテレビモニターに送信することができた。


 スネ夫が野球のユニフォームを着て、家に帰ると、紅茶を飲みながらママに「教室の掃除ひとりでやりました」と報告し、ママから「スネ夫さん、感心ざます」とほめられている。鏡の前では三十分も座り、「ウットリ」しながら。「美しいということばは、ぼくのためにあるんだなあ」とほざいている。

 

  さらに、決定的な弱みを握るため、待っていると、スネ夫がソファでうたた寝をしている間に、おしっこを漏らしてしまった。ママから、おむつをしないからだと叱られ、「この癖さえなければ、模範的少年ざますのにねえ」と嘆かれている。

 

 ムシャクシャするスネ夫はのび太をいじめてスッキリしようとした。電話でカビンと告げても、のび太は「カビン? なんのこと? わかんないなあ」という返事。

 

  学校へ行って壊れた花瓶を先生に見せようとすると、花瓶は元通りになっており、驚いた瞬間、花瓶を「ガチャ」と落としてしまい、その現場をドラえもんとのび太に見られてしまった。

 

 往生際の悪いスネ夫は「これはのび太がわったんだ」と言い張ったが、うつくしい言葉や寝るときおむつの話題を出されると、ギブアップせざるを得なかった。そして、スネ夫はのび太の宿題を引き受けることになった。

 

翌日、ジャイアンたちにのび太は「はだかで逆立ちをして、ワンワンといってみな」と強要された。「カビン」と唱えられると、「ギク」としたのはのび太ではなくスネ夫であった。そして、裸になって逆立ちをし、「ワン ワン ワン」と吠えだしたのは、もちろんスネ夫であった。
[S0108A0104047005]