けんかマシン[★★★]

[初出誌] 『無題』、「小学四年生」19703月号、15頁、57コマ

[単行本]  『けんかマシン』、「てんとう虫コミックス 未収録作品スペシャル ドラえもん第9巻」「ぼく、ドラえもん。」第9号付録 平成16年年75日発行、15頁、57コマ

[大全集] 『けんかマシン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12009729日 初版第1刷発行、15頁、57コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『無題』が『けんかマシン』に変更

 

【単行本vs.大全集】

 「ぼくは平和が好きなんだ」が「ぼくは平和主義者なんだ」に変更[46(8)]

「ぼくは暴力がきらいなんだ」が「ぼくは平和主義者だ」に変更[56(6)]

 

[梗概] のび太が酔っぱらい運転を注意すると、カチーンときたビール瓶を持った酔っぱらいに頭を殴られた。さらに、弱い者いじめしていたジャイアンにいじめられた子からも「ペチン」と殴られた。最後に、猛犬から逃げた弱い子犬からも足を「ガブリ」とかまれた。

 

のび太は暴力嫌いで、平和好きで広い心を持っていると自認し、今最高の気分だと言いながら、帰宅した。ドラえもんから本当にそうなのかと、繰り返し念を押されると、のび太は「くやしいよォ」と泣き崩れ、ドラえもんにすがった。

 

ドラえもんが「やられたらやりかえせ!! 男だろ。ガーンとやれっ」と怒鳴ると、のび太は「ぼくより弱いのがいないもの」と涙を流した。

 

 ドラえもんはそこで、『けんかマシン』を取り出した。ドラえもんはけんかの始まりは口げんかだと言いながら、「入れじた」をまず出した。これを舌にはめると、「したが勝手に動いて、すごいおどし文句やどぎつい悪口がペラペラしゃべれる」という代物である。

 

けんかでさらに大事なのはスピードであるので、「イナズマソックス」を出した。このソックスを履くと、「相手のパンチをかわし、す早くふみこんで、マシンガンのようにげんこつの雨をふらせる」というものである。

 

ドラえもんはけんかで最も大切なものは力であると力説しながら、「パワー手ぶくろ」を取り出した。この手袋をはめるとのび太はだれよりも強くなることができた。

 

 のび太はこのけんか三点セットを身に付けて外に出た。さっきの酔っぱらいのオープンカーを蹴っ飛ばすと、「ブーン」と遠くへ飛んで「ドガチャーン」と道路に激突して大破してしまった。ドラえもんはそのすごさに驚き、手袋のはずし方もわからなかったので、「タイムマシン」でセワシを呼んでくることにした。

 

 セワシによれば、あの『けんかマシン』は壊れており、ゴリラをいちころでしとめることができ、早く取り上げないと人殺しになると警告した。

 

 酔っぱらいが追い掛けてきたので、のび太は「おまえらさっさと消えろ! ボロボロにされたいのかこのフーテンやろう」と怒鳴った後、三人全員をぶっ飛ばしてしまった。「こいつ化け物みたいに強いや」と言いながら、逃げる酔っぱらいを追い掛け、「おいつくじゃないかもっと速くにげろ、うすのろどもめ!」と怒鳴りつけていた。

 

  マンホールが工事で空いていたので、のび太はそこへ落ちて気を失ってしまった。気絶している間に、ドラえもんはセワシの力を借りて、「けんかマシン」を取りはずすことができた。

[S0103E0901047003]