ガラパ星からきた男(Ⅲ)[★★★]
[初出誌] 『ガラパ星からきた男 最終回』、「小学三年生」1994年9月号、18頁、134コマ
[単行本] 『ガラパ星からきた男』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第45巻」1996年5月25日 初版第1刷発行、18頁、141コマ
[大全集] 『ガラパ星からきた男』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 17」2012年2月29日 初版第1刷発行、18頁、141コマ
【初出誌vs.大全集】
「サムライアリの巣穴だ」、「まるごとつれていこう」コマ挿入[566(3)]
「こっちもたくさん見つけた」、「合計五万匹採集」コマ挿入[566(4)]
「進化させれば地球人に負けないぞ」コマ挿入[566(5)]
「ゾロゾロ乗りこんでいる」コマ挿入[566(6)]
「サムライアリ5万匹採集!!」削除[566(7)]
「高度三十キロでワープする」コマ挿入[567(3)]
「キーン」コマ挿入[567(4)]
「地球はアリ人間に征服されてしまうのか……」コマ挿入[567(6)]
[梗概] ドラえもんの頭は「地球の征服!? 進化したアリが!? いったいどういうこと!?」と混乱しまくっていた。のび太は「ぼくが悪いんだよ~。うんと働かせるつもりでアリを進化させたら、りこうでつよくなりすぎちゃって…」
「な、な、な、な、なんてことしてくれた!」、「ど、ど、ど、どうしよう。ウワア~」、「こうしよう! 現在ののび太を追っかけるんだ。ガラパ星でアリを進化させる前につかまえてやめさせよう。そうしたら進化したアリなんかいないことになって、もとの平和な世界にもどる」、「ほんとにもどるかなあ・・」の会話が続いた。
そのとき、進化したアリは机の中から出てきて「そうはいかない!!」と言いながら、ピストルで液体を発射すると、ドラえもんものび太も「ゴロ ゴロン」とマユのようになってしまった。「あぶないところでまにあった。人間なんかにじゃまさせないぞ。つれてかえろう」となった。
ガラパ星にやってきたのび太が庭の巣穴から掘り出したこのアリさんを…。強く大きくりこうになって、よーく働くんだぞ」と頼むと、一ヶ月もあれば進化するでしょうとの返事であった。
帰ろうとしたら一キロもあるミミズにつかまり、進化した食虫植物に「ニュ~ スポ モグ モグ キャッ」と危うく体が溶けちゃいそうになってしまった。かろうじて、脱出し、円盤で地球に戻り、ボロボロになった服を着替えることになった。
のび太は「一ヶ月後が楽しみだなあ。うんと働かせて、うんとお金をもうけて、ぼくはひるね…。…、いや! 自分だけよければという考えは…反省! しずちゃんにも…、いや、すべての人々にこの新しい労働力を役立てよう!!」と考えていた。
庭でアリを集めていると、しずちゃんと出木杉が塀の外を歩いていたので、「どこへいくの?」と尋ねると、逆に、「カナリヤさがしてるんじゃない!!」と言われてしまった。
のび太は「そのかわり、今にいいものプレゼントするから楽しみにね。アリを進化させて、人間は働かなくてすむようになる」と話すと、出木杉は「アハハ、そりゃむりだ。これはサムライアリじゃないか。
サムライアリはクロヤマアリのサナギをうばって育てて奴隷にするんだよ。進化しても、きっとほかの生物を奴隷として働かせると思うよ」と言って、しずちゃんとカナリヤを探しに行ってしまった。
のび太は一ヶ月後どうなっているか心配になってきたので、「タイムマシン」で行ってみると、お客さまを追って届ける客急便が届いていた。
「未来デパートはガラパ星進化研究所を。危険生物を作り出すおそれありと判定して閉鎖します。これまでお買い上げのお客さまには、深くおわびし払いもどしをさせていたきます」という内容であった。
のび太は「じゃあタンクに入れたアリはどうなるんだろ。ぼくはどうすりゃいいんだ」と思いながら、外に出ると、「ヒューン」と円盤が土管のある広場に着陸し、「われわれの生まれ故郷はここだったのか。
人間につかまってガラパ星ヘつれていかれて、進化させて働かせるつもりだったらしいが、そうはいかんぞ!! 地球を支配するのはわれわれアリ人間だ!! オー!!」となり、じゃまする者がいたら、野良猫のクロのようにピストルから液体を発射され、「フニャゴ!!」と、のび太の目の前でマユにされてしまった。
のび太はいそいで家に帰り、タイムマシンで一ヶ月前の世界に戻ろうとした。のび太が地球に到着して、机から出ようとしたところを、待機していたドラえもんに「ワスレンボー」で「ポカ」と殴られてしまった。
のび太は「ぼくは何をしてたんだっけ?」、ドラえもんからは「庭で草むしり」、ママからは「お使いはやくお願い」と言われていた。土管のある広場で、「なんだっけ…、う~ン…、思いだせないなあ」と考えていると、ドラえもんはやってきたので、「たいへんなことがおきたんだよ!! 思いだせない!!」と苦しんでいた。
ドラえもんは「ワスレバットのせいだと思い、バットの細いほうでなぐれば、きっと思いだせる」と考え、家でそうすると、「地球は進化したアリ人間に征服されるんだよ!!」となった。
その後、ドラえもんとのび太はアリ人間に攻撃され、マユにされて、「タイムマシン」で、奴隷としてこき使われるため、未来の世界へ運ばれた。
「人間は思ったよりりこうな動物らしいぞ。われわれの地球征服計画をす早くかんづいたようだ。この近所をしらべたがだれもいない。きっとどこかにかくれ、攻撃の機会をうかがっているのだ」
「まさかそんな…。さっきも男の子がようすをさぐりにきたわ。とにかく人間どもは何百人も何千人もいるにちがいない。われわれには仲間が必要だ。もっとサムライアリを集めよう。ガラパ星で進化させるので。大軍団をそろえて人間どもと戦おう」と意気軒昂であった。
マユになって横たわっていたのび太に客急便が「ゴッ」と当ったので、のび太は「ウ~ン、いててて…。だれだっ、いたいじゃないか」とマユを破って顔を出した。ドラえもんも「アリ人間につかまって…」とカラを破って出てきた。
宅急便にはピストルみたいなものが入っており、手紙には「退化放射線発生ガンです。新生物に発射すると元にもどります」と書かれてあった。
アリ人間は「サムライアリの巣穴だ。まるごとつれていこう。こっちもたくさんみつけた。合計五万匹採集。進化させれば地球人に負けないぞ」と言いながら空飛ぶ円盤に乗り込んでいた。
ドカンのある広場から「ガラパ星に向かって発進!! ヒューン」と、ドラえもんとのび太の目の前で飛び立つところだった。「にがしたらたいへん。全速力!! だめだ! とても追いつけない!! 地球はアリ人間に征服されてしまうのか…」と落胆していた。
突然、「ガツン」と何かに衝突し、アリ人間が「ワ~ッ!! 衝突事故!! いったい空中でなににぶつかったというんだ!?」と大騒ぎしていた。
カナリヤのピーちゃんが「ウ~…ワン!!」と吠え、UFOが「ブウン」とすごいいきおいでもどってきたので、のび太が退化放射線を「ビビビ…」と発射すると、UFOは「フラ フラ」と落ちていった。うら山に墜落し、アリ人間たちは元のアリにもどっていた。
のび太とドラえもんが「人類の滅亡は防げたはずなのに…。一か月後のみんなはどこへいったんだろう」と話していた。
外が「ガヤ ガヤ ザワ ザワ ザワ ガヤ ガヤ」と騒々しくなり、のび太とドラえもんが「やあ一か月前のぼくたち、きてたの。駅前で映画のロケみてたの。日米合作の超大作でスターがいっぱい。ケビン・イーストウッドとか、内田裕実とか」と拍子抜けするほどの明るさだった。
[S1755・A4515・039409]