ガラパ星からきた男(Ⅰ)[★★★]

[初出誌] 『ガラパ星からきた男』、「小学三年生」19947月号、18頁、134コマ

[単行本]  『ガラパ星からきた男』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第45巻」1996525日 初版第1刷発行、19頁、140コマ

[大全集] 『ガラパ星からきた男』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 172012229日 初版第1刷発行、19頁、140コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 UFO!!」削除[527(1)]

  UFO!!」コマ挿入[527(2)]

「文字なし」コマ挿入[527(3)]

「文字なし」コマ挿入[531(3)]

 

「楽してお金をもうける自分かってな方法を」コマ挿入[531(5)]

「たとえば…そうだ!タイムマシンでひと月先の自分から…」コマ挿入[531(6)]

「思いだせないなあ……」、「カナリヤをのらネコから守るには……」コマ挿入  [532(5)]

 

[梗概] のび太は「アリくんはえらいなあ…。このあついのに朝から晩まではたらいてる、文句ひとついわないで…」、ママは「アリさんのことより、あんたの草むしりはどうなってるの!? それがおわったら、物置の整理でしょ、そのあとふろ場のおそうじ、夕方の買物はなるべくはやくね」

 

 「ひどい!! ぼくはママのどれいじゃないよ」、「あんたがいいだしたんじゃないの! おこづかいくれたら、どんどんはたらくからって」、「超人気の電子ゲームソフト、「紅帝伝説」が発売されるんだ。いそいでまとまったお金がいるんだ。しかし…、はたらくということはつらいものだなあ」といった会話が続いた。

 

 草むしりをしていたら、ジャイアンやスネ夫から「買ったぜ、紅帝伝説!! すっごい人気、もうすぐ売り切れだね」と言われたので、ママにおこづかいの先払いを交渉してみたけれどもやはりだめであった。

 

  オバQの貯金箱を調べてもぜんぜん足りなかった。やる気がなくなって昼寝をしていたら、突然すばらしい考えが閃いた。早速、「タイムマシン」に乗って一ヶ月ほど未来へいけば、きっと貯金もたまっているだろと思っていってみると、思いがけなく大金を手に入れることができ、「えらいぞ、未来のぼく!!」と感謝していた。

 

 気が付くと貧しいわが家の部屋は一面のじゅうたんになっており、魚が部屋の中を「ヒラリ ヒラ ヒラ」と飛んでいた。外では、しずちゃんのカナリヤがいたので追い掛けると、「ウ~ ワン ワン ワン」と吠え、網で「スポ」と捕まえても、「バサ バサ グ・グーッ ワーッ ビリッ ワン! ワン!」と逃げられてしまった。

 

 しずちゃんの家に行くと、アリの親子がでてきて、のび太は「おかしい! 町中がひっそりして、人かげがまったくみえない…。ただごとじゃないぞ」と考えて、空を「タケコプター」で飛んでいると、ドカンの広場にUFOが着陸していた。

 

  しばらくすると、UFOが「ヒューン」とどこかへ飛んで行ってしまった。のび太は「一か月後の町に、なにかがおきている!!」と思い、「タイムマシン」で帰ると、机の前でドラえもんが「くだらないおもいつきをわすれさせなくちゃ」とひみつ道具「ワスレンボー」を持って待機していた。

 

 のび太が「たいへんなこと…」と机から出ようとした時に、「ポコ」と頭を殴られた。「ぼくはなにしてたんだっけ?」、「せっせとはたらいて貯金するんだろ」と言われたので、庭でせっせと草むしりをはじめた。のび太は「?……。なにか大事なことをわすれたような…」気がしてならなかった。

 

 のび太にしずちゃんから電話がかかってきた。とても困ったことがあって相談に乗ってほしいと言われたので、しずちゃんの家に出かけた。野良猫のクロがカナリヤのピーちゃんをねらっているのでなんとかしてほしいという相談であった。難しい要件であったので、のび太はドラえもんに相談することにした。

 

 ドラえもんがどら焼きを買って帰ると、のび太が庭で草むしりをしていなかった。また、「タイムマシン」に乗って、未来の自分の貯金を横取りなんてという自分勝手な方法で出かけたと思い、机の前で待っていると、「ドラえもんたいへんな…」と言いながら出てきたところを、「ワスレンボー」で「ポカ」と殴った。

 

  新しい縦縞のシャツを着たのび太は「ぼくはなにをしてたんだけ?」、ドラえもんから「庭で草むしり!」、さらに、ママから「いつまで草むしりしてるの。おつかいはやくおねがい」と頼まれた。「こんなことしてる場合じゃ…、ないような気がするけど…。おもいだせないなあ」と町角を回ると、しずちゃんのところからのび太が「カナリヤをのらネコからまもるには…」と呟きながら帰ってきた。

 

 ドラえもんは帰ってきたのび太を見て、「しずちゃんの家へいってきたって? じゃあ、今でていったのび太は?」、のび太は「ひょっとして、未来か過去からきたぼくかも」、「わるいことしちゃった」となった。

 

  「しずちゃんのカナリヤ、なんとかしてよ!」と頼んだけれども、ドラえもんはあっという間に部屋を出て行ってしまった。

 

 「ワスレバット」が落ちていたので、これを使って野良猫のクロを「ポカ」と叩けば、クロの考えを忘れさせることができると思い、「タケコプター」で出かけようとした時、ドラえもんが「まった!! 気がついてよかった。

 

  またかってに使われるところだった。ろくなことにならないんだから」とバットをポケットにしまって部屋を出ていった。

 

のび太は押し入れから「スペアポケット」を探し出し、「ワスレバット」と唱えると、バットを手に入れることができた。その時、一緒に、まだ封を切ってない小包みが出てきた。

 

封を切ると、「まいどありがとうございます。これはえらばれたおとくいさまだけにおしらせする秘密情報です。まずカーテンをおしめください。立ちぎきされないよう、ドアの外もおたしかめください」との注意が流れてきた。

 

 「ではごらんください!!」の合図で、のび太は宇宙空間に放り出された。「ご安心ください、これは実感映像です。今、あなたは太陽系をはなれ、銀河の中心に近い「ガラパ星」に向かっているのです」と告げられた。のび太は飼い馴らされたフライングマンタに乗って、なぞと奇跡の星、ガラパ星に案内された。

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