こわ~い!「百鬼線香」と「説明絵巻」[★★★]

[初出誌] 『こ~わい!「百鬼線香」と「説明絵巻」』、「小学三年生」19914月号、10頁、74コマ

[大全集] 『こ~わい!「百鬼線香」と「説明絵巻」』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 172012229日 初版第1刷発行、10頁、74コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「あとは午前二時をまつばかり」が「よーし、夜中が楽しみだ」に変更[504(8)]

 

[梗概] スネ夫は直せばまだ使える品々を全部粗大ゴミとしてして捨てようとしていた。ジャイアンやのび太はもったいないと抗議し、ドラえもんは「石油とか木材とか鉄とか…、むだづかいしていると、地球がやせていくばかりだぞ」と嘆いていた。

 

 家では、野比家のテレビは「バン バン」と蹴ると辛うじて映った。ママが「掃除機も洗濯機も故障ばかり、今はもう全自動の洗濯機やらセンサーつきのクリなーやら、便利な新製品…」と訴えると、パパは「直せばまだ使える、資源は大切に」と反論。

 

 さらにママは「大切にするにもほどがあります!!」と完全におかんむり状態。夫婦げんかがエスカレートして、二人とも家から出ていってしまった。

 

 ドラえもんは「使いすての世の中が悪い!」と激怒し、のび太も「スネ夫みたいのがいるからだ」と腹を立てていた。懲らしめようと意見が一致すると、ドラえもんは『「百鬼線香」と「説明絵巻」』を取り出した。

 

 この線香をかけると、説明絵巻のように、百鬼夜行の状態になる。つまり、「ろくに使わずにすてられた道具が、夜になると、すてた人のところへあらわれる」というものである。

 

 スネ夫の捨てた品々にたっぷり線香をかけていると、白いネコがドラえもんに「ミケとシャミーがけんかしてる」から仲裁して欲しいと頼みに来たので、一緒に出かけてしまった。仲裁もうまくいき、あとはセットした午前二時を待つばかりとなった。

 

 日が暮れ、腹ペコになった八時になっても両親は戻ってこなかった。ひと寝りして起きてみると、午前二時になったので、スネ夫の家に行こうとしたら、再度、ネコのけんかの仲裁を頼まれ、ドラえもんは一緒に行ってしまった。のび太がスネ夫の家に着いても、オバケ一匹すら見当たりません。

 

 オバケの行列は野比家に向かって、彷徨っていた。のび太が止めに入っても、全く歯が立たず、完全にノックアウトの状態となった。ドラえもんが戻ってきたので、のび太に理由を尋ねると、のび太は「もったいないから家へ持って帰り、線香を屋根の上におきっぱなし」だと白状した。

 

 野比家で、オバケ掃除機は家を勝手に掃除し始め、オバケ洗濯機は「ゴト ゴト」と勝手に洗濯を始め出した。ドラえもんはこれこそ本物の全自動だと考えた。

 

 ママは友だちの家で長話にふけり、パパも友だちとマージャンをして遅くなったと、互いに弁解し合った。のび太たちは腹ペコで怒っているでしょうと言いながら、部屋に入ると、二人はオバケに大歓迎されていた。ドラえもんは「もういいよ、おなか一杯」、のび太は「デザートたのむね」と、とても楽しげだった。

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