身がわり紙人形 [★★]
[初出誌] 『身がわり紙人形』、「小学三年生」1991年3月号、10頁、73コマ●
[単行本] 『身がわり紙人形』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第45巻」1996年5月25日 初版第1刷発行、10頁、73コマ
[大全集] 『身がわり紙人形』、「藤子・Ｆ・不二雄大全集 ドラえもん 17」2012年2月29日 初版第1刷発行、10頁、73コマ
【初出誌vs.大全集】
「あーっ、風にのってにげるなんてずるい！！」が「風にのって逃げるなんてずるい！！」に変更[414(8)]
【単行本vs.大全集】
「あーっ、風にのってにげるなんてずるい！！」が「風にのって逃げるなんてずるい！！」に変更[414(8)]
[梗概] しずちゃんと女の友だち二人とのび太はひな壇の前で、「あかりをつけましょ、ぼんぼりに～」と歌いながら、出木杉に記念写真を撮ってもらっていた。出木杉は「ずっと昔のおひなさまは切り紙細工のかんたんなものだったらしいよ。
子どもが病気や災難にあわないよう、身がわりになってくれたんだって。毎年お祭りして川へ流したんだよ」と説明すると、しずちゃんから「出木杉さんてものしりね」と称賛された。
しずちゃんのママがひしもち型のケーキを持ってきてくれた。ドラえもんがいないので、しずちゃんや出木杉はのび太に呼んできてもらったほうがいいと言い出したので、のび太は「ぼくのぶんとっといてね！ 甘酒もねー！」と頼んで、タケコプターで呼びに出かけた。
途中広場の上を飛んでいると、ボールが目の前に飛んできたので、「あっちへいけ！！」と右足で蹴ると、ジャイアンから「のび太のばかやろ！！ ただのフライをホームランにしやがって！！」と怒鳴られてしまった。
のび太が家に行くと、ドラえもんが出かけようとしたら、ネズミが飛び出し、プレゼントをろうかに落としたままだと、泣きべそをかきながら、のび太に伝えた。ドラえもんが少し冷静になると、ひみつ道具『身がわり紙人形』を出し、一枚をペロリとはがして、ドラえもんの代わりに出かけるようにしている。
「フワリ フワリ」と階段からろうかに降りたが、ネズミも出ることもなく、身代わりが無事であることは本物も無事であると判断することができた。
ドラえもんが「おーい、身がわりはもういいよ。あれ、プレゼントは？」と思った時、身がわり人形は「ビュウ」と風に吹かれて、「ヒラ ヒラ」と空中を漂っていた。
身代わり紙人形がプレゼントを持ってしずちゃんの家に行ったと考え、追い掛けると、ジャイアンとスネ夫に「おまえのせいで負けちゃったぞ！！ ギタギタにしてやる！！」と追い掛けられた。のび太が「こまるなあ、はやくしずちゃんのところへいかないと…」と話すと、ドラえもんはのび太の紙人形を出した。
紙人形はジャイアンにつかまって「ボカ ボカ」殴られたが、「人形はへいきだよ、紙だから」と言われたので、「いそがないと、ケーキも甘酒もなくなっちゃう」と言いながら、二人は早速駆け出した。
スネ夫が「のび太がいたぞ！！」と叫んだが、前方に先生が見えたので、しばらく先生のあとを続いて歩いいた。これじゃ、しずちゃんとこへいけないので、のび太の身代わりをもう一枚「ペリ」とはがし、「フワ フワ ピュウ ヒラ ヒラ」と飛び始めた、スネ夫は「のび太！！ あーっ、風にのってにげるなんてずるい！！」と追い掛けていった。
急いでしずちゃんの家に行こうとしたら、先生につかまり「きみはどうも漢字の学習がぜんぜんできていない！ 先生がみっちり教えてやろう。すぐ先生の家へきなさい」と連れて行かれてしまった。
ジャイアンに「これぐらいでかんべんしてやるぜ」と解放された、のび太の紙人形は「ヒラ ヒラ ヒラ ピンポーン」としずちゃんの家に到着すると、「まあっ、ひどいけが！！ すぐに入りなさいな、てあてしてあげるから」となった。さらに、「フワ～」とドラちゃんともうひとりののび太もやってきた。
「野比、少しは漢字をおぼえたか。きょうはこれぐらいで帰ってよろしい」と言われたので、ドラえもんと一緒に「ワア～、すっかりおそくなっちゃった」としずちゃんの家に急いだ。
「しずちゃ～ん！！ 待たせちゃってごめん！ えっ、パーティーもう終わり！？ ケーキや甘酒は？」と尋ねると、しずちゃんは「ドラちゃんとのび太さんがふたりもきて、あんなに飲んだり食べたりしたじゃない！」という予期せぬ返事が返ってきた。
ドラえもんとのび太は「ヒラ ヒラ」逃げる三人の紙人形を追い掛けながら、「そこまでの身がわりはたのまなかったぞ！！」怒鳴っていた。
[S1742・A4510・049103]