バランストレーナー[★★]

[初出誌] 『バランストレーナーで練習』、「小学三年生」19909月号、10頁、77コマ

[単行本]  バランストレーナー』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第44巻」1993525日 初版第1刷発行、10頁、77コマ

[大全集] 『バランストレーナー』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 172012229日 初版第1刷発行、10頁、77コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『バランストレーナーで練習』が『バランストレーナー』に変更

 「夏がすぎると四丈半島の海辺には」が「夏がすぎると四丈半島の海辺に」に変更[470(1)] 

 

[梗概] スネ夫「もうすぐ夏がくる。四丈半島の海辺は、まだほとんど人気がない。きこえるのは海と風の音ばかり…」、しずちゃん「ロマンチックねえ。ぜひつれてって」、スネ夫「波の立つ日には、サーフィンなんかできるんだよ」

 

  ジャイアン「おれも一ぺんやってみたい! でもむずかしいんだろ」、スネ夫「牧場があって、馬にも乗れる」、ジャイアン「おっ、かっこいいな」、しずちゃん「あたしも乗りたい! でもこわいわ」、スネ夫「ぼくに教われば、すぐ乗れるさ」といった会話がのび太を全く無視して延々と続いた。

 

 しかし、突如、「そうそう、のび太もいっしょにきていいよ」となり、「ワーイ!!」と大喜びして帰ると、スネ夫が「じつはお願いが…。ドラえもんの道具をかしてほしい」とやってきた。

 

  「さっきつい調子いいこといったけど…。じつはサーフィンも乗馬もはじめたばかりなんだ。こっそり練習する道具かしてよ」と頼んできたので、のび太は「ずるい! しずちゃんの前で、自分ばっかりいいかっこしようと思って」と腹を立てると、「いやならいいんだよ。そのかわり…」、「かしてあげて!!」となった。

 

 ドラえもんはひみつ道具『バランストレーナー』というスキーとかスケボー、サーフィン、乗馬など、バランスをとる練習ができる道具を出してくれた。この道具を借りて、スネ夫ははりきって帰っていった。のび太が「いくのいやになった」と言いだしたので、ドラえもんはもう一枚のバランストレーナーを出した。

 

最初は、ダイヤルをスキーにセットし、ゆるいゲレンデをすべって、動く板の上に立つ感覚を身につける最も簡単な練習から始めることになった。のび太がバランスの練習をしていると、シロちゃんがタマちゃんがクロにいじめられていると知らせに来た。ドラえもんはまじめに練習を続けるようと指示して、タマちゃんを助けに出掛けた。

 

 のび太が調子に乗って、「スーイスイ」と滑っていると、階段から「ワ~」と滑り落ちてしまった。「やっぱりスキーより馬がいい…」と思い、さらにしずちゃんに電話で「四丈半島では、ぼくが乗馬を教えてあげるね」と予告している。

 

  ダイヤルを馬に合わせて、さあ、猛練習するぞと宣言して、乗ろうとすると「ポカ」と蹴られ、「ヒヒヒ~ン パカパッ パカパッ」と暴走しだした。

 

 帰ってきたドラえもんから「なにやってんだ」と問われると、「けとばされた、イテテ…」と答え、「後ろから近づくから、警かいされたんだ」、「ザブトンの前や後ろがわかるもんか!!」と口げんかになった。

 

  ママが「だれです、ろうかでドタバタさわいでるのは!! あらこんなとこにざぶとんが…。のび太はなんでもおきっぱなしにして…」と自分の部屋にザブトンを片付けていた。

 

 のび太とドラえもんがザブトンを探しに行くと、ママの部屋で「ヒヒン ヒヒン キャーッ」と悲鳴が聞こえてきたので、部屋に入るとママも蹴飛ばされていた。「パカパッ パカパッ」と外に走り出したので、ふたりは「どおどお! 早くスイッチを切って」と言いながら取り押さえることができた。

 

 スネ夫も「ドターッ パカパッ パカパッ」と苦労していたが、「はじめは牛のようにおとなしい動物で、バランス感覚を身につけるべきだと考えを変え、「モオオ~ ノタリ ノタリ のんびりしてていいや アハハ」と練習を続けていた。ドラえもんからのび太は「スネ夫はちゃんと頭を使ってる」ときびしく説教された。

 

 スネ夫のママが「スネちゃまスカートを買ったざますけど、まっ赤ではですぎるかしら」とスカートを見せると、「ンモ~!! ドドドッ ドドドッ ドタン バタン キャー あばれ牛!!」となってしまった。

 

  四丈半島に行く日、のび太とジャイアンとしずちゃんが迎えに行くと、包帯だらけのスネ夫が「けがしちゃったから、別荘いきはとりやめ」としょんぼりと告げていた。

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