もぐれ! ハマグリパック[★★]
[初出誌] 『「ハマグリパック」は便利だけど、こわい』、「小学三年生」1990年6月号、10頁、76コマ
[単行本] 『もぐれ! ハマグリパック』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第42巻」1991年1月25日 初版第1刷発行、10頁、76コマ
[大全集] 『もぐれ! ハマグリパック』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 17」2012年2月29日 初版第1刷発行、10頁、76コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『「ハマグリパック」は便利だけど、こわい』が『もぐれ! ハマグリパック』に変更
[梗概] のび太は「ドラえも~ん。よろこんでくれ。こないだのテストで…」と部屋に飛び込んできた。「何点とった!?」、「0点!!」、「0点!? どこが新記録!?」、「だってさ。これまではぼくは、五回に一回のわりあいで0点をとってたんだよ。こんどは、九回つづけて点をとったんだよ。わずかだけど、十回目の0点はひさしぶりなんだぞ」
「なるほど…、これはたいへんな進歩だ」、「ママにもみせてよろこばせよう」、「まった!! 十回めでも、なんでも、0点とって親がよろこぶと思う?」といった会話が延々と続いた。
ふたりでささやかにお祝いしようということになり、ひみつ道具『ハマグリパック』を「カチ」と押すと「ムク ムク」と大きくなり、中から特製のどら焼きが出てきた。
「九回連続得点」をどら焼きで祝い、「これからも記録をのばすようがんばれ」と励まされた。飲み物がほしいというと、ドラえもんは庭に出て、「ザク ザク」と掘り出した。
「ハマグリパック」とは、「一種のタイムカプセル。ふたをとじると、小さくなって、地面にもぐるんだ。パックの中は、時間の流れが止まってる、つまり、入れた物が入れたときのままのすがたで永久に…」保存されるものである。のび太はいちばん大きなパックを借りて答案を入れて、地面に「スル スル スル」と潜らせた。
ママが大地震のきたときのための非常食をどこにしまっておけばいいか困っていたので、このパックでしまうことにした。しずちゃんにこの便利なパックを使ってもらおうとしたら、最初、べつになにもないと言っていたが、しばらくして、わたしの日記をしまってほしいと頼まれた。
スネ夫は置き場に困っていると言いながら、たくさんの品々をいくつかのパックにしまってもらっている。
パックを庭にばらまいているとき、ジャイアンに見られたので、ドラえもんにひみつ道具『ガードしおまねき』を出してもらって、庭にまいたので、しばらくすると、ジャイアンが掘り出すと、四匹のしおまねきにかまれることになった。
ママは買ってきた材料も非常食といっしょに埋めてしまったので、コップで掘り出した。パパが帰ってきてもママが見えないと心配していると、ドラえもんがのび太の0点の答案をもって部屋に駆け込んできた。
「きっとママがほりだして、カーッととしたはずみでハマグリへころがりこんで地面の中へ…」というのがドラえもんの推理であった。のび太もそうだと思ったが、パックから出てくるママを想像すると、なかなか掘り出すことができなかった。そのため、パパから「はやくしなさい!! はらぺこなんだよ!」と怒鳴られる始末であった。
[S1745・A4207・039006]