万能クリーナー [★★]

[初出誌] 『万能クリーナー』、「小学三年生」19902月号、10頁、75コマ

[単行本]  万能クリーナー』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第42巻」1991125日 初版第1刷発行、10頁、75コマ

[大全集] 『万能クリーナー』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 172012229日 初版第1刷発行、10頁、75コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

[梗概] ジャイアンが二、三日風邪で学校を休んでいるので、のび太は「ジャイアンがいないと、のびのびするね」、スネ夫も「ほんと! いつまでも休んでほしいよ」といった会話を交わして登校していた。

 

  「ゴホン ゴホン」とせきをしたジャイアンがやってくると、「ジャイアン治ったの?」と尋ねると、「おう、ひどい目にあったぜ」、「よかったジャイアンがいないとさびしくて…」、「スネ夫たのみがあるんだ」、「いいとも! きみのたのみなら、なんでもきくよ」、「帰ってから、休んでたあいだのノートうつさせてくれ」、「おやすいご用」となった。

 

 のび太が調子のいいスネ夫の態度をみて、しょぼくれて帰宅すると、スネ夫がどのノートにもジャイアンからいじめられるたびに、くやしさをまぎらわせるため、ノートに落書きしていたので、見せられないと飛び込んできた。

 

  落書きがボールペンで書かれてあるので、消すこともできず、「ドラえもんなんとかしてえ!!」と泣いて頼んだ。のび太が「いやだね! だれがきみなんか」と口を入れたので、頼みを断ってしまった。

 

 スネ夫が帰った後、のび太はドラえもんから、「たすけてやったら? かわりにこっちも、たのみごとするんだよ。こんなときだからなんでもきくよ」と忠告されたので、そうすることにした。ジャイアンがスネ夫の家を訪ねると、ママからお留守ですといわれてしまった。

 

  困っているスネ夫を見つけると、助けてやると約束し、代わりに、のび太は「人気まんがマジカルキャップ」、ドラえもんは「お父さんにたのんで、人気スター五島くに子のサイン」をもらうことにした、

 

 ドラえもんはひみつ道具『万能クリーナー』で、ノートの落書きを全部「ズ~」と吸い取って、きれいにしている。スネ夫はジャイアンにノートを見せると、「おお心の友よ!!」と感謝され、「お礼に…、一週間おまえのボディ・ガードになってやる」と約束してもらった。

 

  ジャイアンに「マジカルキャップ」をかすと、一ヶ月のボディ・ガード、五島くに子の色紙をあげると、「おれたちは永遠の友情でむすばれたのだ!!」となった。

 

 のび太が電話でスネ夫に、マンガと色紙の件を話すと、「あ、あれね。ジャイアンがもっていったよ。ほしかったらとりかえしな」という返事だった。ドラえもんとのび太は『ウルトラストップウオッチ』で時間を止め、さっき吸いこんだ落書きの入ったカプセルを付けて、「ズ~」とこれまでの落書きをすっかりノートに写した。

 

  さらに、マンガの中身とくに子ちゃんのサインを吸い取った後に、ストップウオッチを「カチ」と押して時間を動かした。そしてカプセルの中身をほかの紙に写しかえた。

 

 ジャイアンが楽しみに、まんがを読み、色紙をながめようとすると、どれもこれもまっ白であり、その上、落書きだらけのノートであった。スネ夫が安雄とはる夫に「ぼくにさからうとこわいよ。ジャイアンがついてるからね」といっているところへ、顔を真っ赤にしたジャイアンがやってきた。

 

 のび太とドラえもんが楽しそうにマンガを読んだり、色紙をみていると、ドラえもんが「だれかの悲鳴がきこえてきたような気がするけど」、それに対して、のび太は「ぼくたち関係ないもんね」と答えていた。

[S1732A4209039002]