ドラえもんが重病に? [★★★]
[初出誌] 『ドラえもんの健康診断』、「小学三年生」1989年10月号、10頁、80コマ
[単行本] 『ドラえもんが重病に?』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第45巻」1996年5月25日 初版第1刷発行、10頁、80コマ
[大全集] 『ドラえもんが重病に?』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 17」2012年2月29日 初版第1刷発行、10頁、80コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『ドラえもんの健康診断』が『ドラえもんが重病に?』に変更
[梗概] のび太は「がんばってるよ!! 一日の平均勉強時間も、前からすると十分もふえているし、ぼくにできるだけのことはやってるよ」、ドラえもんは「いーや、まだまだ努力がたりない!! もっとがんばれるはずだ!!」
「テストはあしたなんだよ、今さら手おくれだよっ!!」、「ふだんの心がけが悪いからだ。これからはきちんと…」、「コンピューターペンシルかして!!」、「そんなものない!!」、「うそだ!!」と恒例のワンパターンな口げんかになった。
のび太が「ずっと前、出してくれたじゃないか。出さないとひげをぬいて…」と言いかけると、突然、ドラえもんがちょっと頭がフラ フラすると言いだした。そこへドラミちゃんがタイムマシンでやってきて、「ロボットは一年に一度、工場で精密検査を受けなければいけない」と伝達した。
ドラえもんは強気で、「ぼくにはぐあいの悪いとこなんか…、ガーガー。うるさいなあ、ほっていてくれ!!」と外に出掛けてしまった。
のび太がドラミちゃんに「なんでいきたがらないんだろ」と尋ねると、「こわいのよ。もし、めんどうな病気が発見されたらどうしようって」、「めんどうな病気って?」、「たとえば急性ポンコツ病とか。早く直さないと、手おくれになって…、永久にこわれちゃうの!!」、「ぼくがかならず工場へいかせるから!!」となった。
しばらくすると、ドラえもんは戻ってきて、「ぼくはなんともないってのに。もし半年とか一年入院てことになったら、のび太はどうするんだ! ひとりじゃなんにもできないくせに!! …つかれた。ひと休みしよう。ぐう~。ギリ ギリ ぐう~。ガク ガク」と体調は決してよくなかった。
のび太がタケコプターを使ってドラえもんを探していると、「こんどこそもうだめらしいな。プスンプスン ブルル…中古で買って、もう十年も乗ってるから。直してもむだだろ。また安い中古車をさがそう」といった気になる会話が耳に聞こえてきた。
ドラえもんの前で、「ネ…、ネ、ネ…。ネズミ!! キキキ! 助けてえ! だれか!! ワ~!!」と叫ぶと、のび太の口の中へ「ピョコ」とネズミが飛び込み、「ギャー ワー ヒャー」と悲鳴を上げることになった。
のび太が「ドラえもん!! 悪い夢でもみたの? ひどくうなされてたよ」、ドラえもんは「…?ゆめかなあ…」、「どこか悪いとこがあるから、へんなゆめみるんだよ。すぐ工場へいきな!」と命令すると、「よけいなおせわだ!」となってけんかになってしまった。
のび太は「どうしてそうごうじょうなんだ…!! おい、ひょっとして…、ぼくのことが心配で、いけないんじゃないの? ばかにすんな!! きみなんかいなくても、ぼくはへいきだぞ!!」
「よーし! そんなら…あしたのテストでもし百点…、いや、九十点…、八十点とったら…。すぐ工場へいくか!?」、「七十点…、いや六十点でもいくよ。とれるわけないけど」、「きびしいけど、やるしかない…」と勉強することになった。
「ガ… ガク ガク ガク ドカ ドカ ぼくの体の中で、なにかが動いてる! ネズミだ!! げーげー。病原菌ロボットかもしれない。なにかいるのはたしかだよ」とドラえもんは騒いでいた。騒いだ際に、四次元ポケットからたくさんのひみつ道具がおっぽり出された。
その中に、「スモールライト」があったので、のび太は小さくなろうとしていた。ドラえもんは「高圧配線にふれたらどうするんだ!! 原子胃ぶくろに落ちたら、破壊されてエネルギーにされちゃうぞ!! オイルパイプに流されたら…」と体の中に入ることを阻止しようとした。
しかし、再度ドラえもんが「ガクガク」と大きく振動し出したので、のび太はもうグズグズしている時間がないので小さくなってドラえもんの中に入った。
中はややこしくてよくわからなかったが、青白い光が見えたので、それをさがすことにした。ドラえもんは「のび太! ほんとに入っちゃったの? わあ、しゃべらないでくれ! 耳ががんがんする」と喚いていた。
のび太は赤い小さな怪物を見つけたので、マンホールの中を探ってみると、「スポ わっ!! ゴオ 助けてえ!!」となってしまった。のび太はドラミちゃんが送り込んだミニドラに「ザバ」と助け出された。
さらに、ドラえもんの体をすっかり調べて、悪いところを全部直してもらうことができた。ドラミちゃんはミニドラとともに、「とうぶんだいじょうぶだけど、工場へもいってね」と言いながらタイムマシンで帰っていった。
のび太は「ところでさっき散らばった道具の中に…、たしかコンピューターペンシルが…」と言われた時、ドラえもんは「ギク」としたが、のび太が「ま、いいか、約束したんだから、ぼくだけの力でがんばってみるよ」とのたのもしい言葉を聞いて、のび太の横で「のび太…」とうれし涙を流していた。
[S1728・A4502・038910]