つづきをヨロシク[★★]
[初出誌] 『つづきをよろしく』、「小学三年生」1989年6月号、10頁、74コマ
[単行本] 『つづきをヨロシク』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第41巻」1990年8月25日 初版第1刷発行、10頁、74コマ
[大全集] 『つづきをヨロシク』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 17」2012年2月29日 初版第1刷発行、10頁、74コマ
【初出誌vs.大全集】
「まてっ、もうすこしつきあえ!!」が「待て、もう少しつきあえ!!」に変更[229(6)]
[梗概] 池で魚釣りをしていたら、根気のないのび太はすぐにあきてしまった。ドラえもんは「バケツいっぱいつってみせる!」と粋がっていたが、突然、「だいじな用をわすれてた! すぐいかなくちゃ」と大騒ぎしだした。出掛ける前にひみつ道具『つづきをヨロシク』を出した。
この道具のボタンを「カチ」と押すと、「プシュ」とガスが出て、ガスに手を入れると、ビニールの手ぶくろみたいになった。この手ぶくろをはめ、釣りをしながら、「スポ」と手を引っ込めると、手ぶくろだけが代わりに釣りを続けてくれるようになる。
のび太は釣りをやめ、このおもしろい道具を使って、家で宿題を「セッセ セッセ」とやらせ、しずちゃんがあと一時間ピアノを弾かなければいけないというので、この道具に弾かせている。
ドカンのある広場でジャイアンが「ボエ~」と歌の練習をし、スネ夫が「パチ パチ パチ キャー、ジャイアンすてきー、ワーイ ワーイ」と声援をしていたが、「じゅくへいかなくちゃ!」と申し出ると、ジャイアンから「拍手係がいないと、熱がはいたないだろ!!」と引き留められていた。
この光景を見て、のび太はスネ夫に、「力いっぱい拍手しながら、手ぶくろを脱いでもらっている。「パチ パチ パチ パチ」と拍手が鳴り止まないので、ジャイアンが「おう、これならはりあいがある」といって、スネ夫は塾へ行くことができた。
調子に乗ったのび太は「人手かします」という看板をつくり、この手ぶくろを使って、町内をぐるっと回って宣伝をしている。すると、犬の散歩、重い荷物の運搬、買い物、窓ふき、ゲームの相手、庭の水まきと注文が殺到した。
「いそがしかったけれども、人のために役立って、気持ちがいいな」と思いながら寝ようとしたら、手ぶくろがまだセッセセッセと宿題を続けていたが、ノートは真っ黒になり、「同じことなんべんもやらなくていい! やめろ!!」といっても、「ドスン」と突き飛ばされてしまった。
ドラえもんが家に帰ると、「やめろってのに、こいつ」とのび太は手ぶくろとけんかの最中であった。「ガスをかけないと、だめなんだ」と「プシュ」とかけると、動きは止まってしまった。「えーっ、ほかにも手ぶくろをいっぱいつくった!?」と聞かされた。
しずちゃんのピアノをストップさせ、ジャイアンが「かあちゃん入れてくれよー」、「だめっ、うるさくて、ねむれやしない!」に終止符を打つことができた。ドラえもんから「もういやだ!! あとはひとりでやれ!!」と言われると、のび太は「いいよ、ガスをかして。手ぶくろにつづきをよろしくたのむね」と気楽に対応していた。
[S1724・A4105・038906]