のび太の模型鉄道[★★]

[初出誌] 『ポップ地下室とフエルミラー』、「小学三年生」19871月号、8頁、46コマ

[単行本]  『のび太の模型鉄道』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第39巻」1989125日 初版第1刷発行、8頁、46コマ

[大全集] 『のび太の模型鉄道』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1620111130日 初版第1刷発行、8頁、46コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『ポップ地下室とフエルミラー』が『のび太の模型鉄道』に変更

 

[梗概] ドラえもんも感心するほど、のび太はお正月から机に向かってコツコツと鉄道模型のストラクチャーを使って、模型鉄道を制作していた。パネルにレールを敷いたり、立木や家を張り付けたり、パワーバックをつないだりした後に、本物そっくりの電車はガーという音を立てながら爆走した。

 

  喜びがあまりにも大きかったため、のび太は苦労して作った会心の模型をスネ夫たちに見せたくなった。

 

  スネ夫の家で、のび太は十倍以上もあるスケールの鉄道模型を見せられ、大きなショックを受けながらショボショボと家路に。のび太はショックに挫けないで、ドラえもんから、ひみつ道具である『ポップ地下室』と『フエルミラー』で出してもらい、さらにスケールアップした模型の制作に取り掛かった。

 

  「ポップ地下室」で、スケールのでかい鉄道模型を作ることのできる広い地下室を準備し、「フエルミラー」は「映ったものを本物にして出してくれる鏡」で、鉄道模型に必要なさまざまな素材を一挙に作り出すことができた。

 

 のび太は学校から急いで飛んで帰り、ママも「このごろまい日、どこへ消えちゃうのかしら」と心配するほど、熱心に制作に打ち込んでいた。発泡スチロールの山を削り、色を塗って、パウダーをまいて木を植えれば、本物の山のように。

 

  シリコンに青いカラーインクを混ぜて、流して固めると、川や池になった。りっぱな鉄橋やトンネル、さらには高架橋まで設置して、広い広いレイアウトの模型鉄道が構築された。

 

 完成した姿を見て、スネ夫も唖然とするような代物に出来上がっていた。さらに、『スモールライト』で小さくなり、のび太もしずちゃんもジャイアンもスネ夫もワーイワーイと歓声を上げながら、電気機関車を乗り回すことのできた。

 

  ドラえもんは「なんでも夢中になるのはいいことだ。これでのび太のなまけぐせもなおるだろう」と思った。

 

 のび太はさらに熱心に模型作りに励んだ。ドラえもんから何を造ったのと尋ねられると、のび太は「寝台車にベットを入れたの」と答え、ドラえもんから「スモールライト」を借りている。のび太は寝台車のベッドで昼寝することが日課となり、ドラえもんから「あれからまい日ねてばっかり!!」と慨嘆されている。

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