バショー扇の使いみち[★★]
[初出誌] 『バショー扇』、「小学三年生」1985年6月号、8頁、51コマ
[単行本] 『バショー扇の使いみち』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第38巻」1987年1月25日 初版第1刷発行、8頁、51コマ
[大全集] 『バショー扇の使いみち』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 15」2011年9月27日 初版第1刷発行、8頁、51コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『バショー扇』が『バショー扇の使いみち』に変更
「まいどおなじみチリ紙こーかん」が「まいどおなじみチリ紙こうかん」に変更[631(5)]
[梗概] スネ夫は「うちの庭って広いじゃない。木がいっぱいしげってるじゃない。だからガラス戸をあけると…。さわやかな風が緑のかおりをのせてふきぬけていくんだよ」と自慢した。しずちゃんも「ほんと! 軽井沢にいるみたい」、「ジャイアンも「気分いいなあ」と感想を漏らしていた。
しばらくすると、「だけどな…、ちょっと人数が多すぎるんだよな。だれかひとり帰らないかな」となり、のび太は「ほ~ら始まった!! 帰る! 帰りゃいいんだろ!!」としずちゃんと一緒に帰ることになった。
のび太が家に帰り、窓を「ガラ ガラ」と開けると、「ガヤ ガヤ ザワ ザワ 毎度おなじみチリり紙こうかん」とすごい騒がしさであった。
ドラえもんがスネ夫の家の緑の風の話をのび太から聞くと、ひみつ道具『バショー扇』を出してくれた。この扇のダイヤルで風の吹き続ける時間、マイクで風のかおりなどの指定、振り方で風向きや強さを調整できる。
ドラえもんは小鳥の声や小川のせせらぎが聞こえてきそうなさわやかな風、南極のブリザード、ハワイやタヒチなどの南国の風などをを出して楽しんでいた。
スネ夫の家ではジャイアンが「ほんとにいい気もちだなあ」と言っているので、のび太は「真夏の熱帯の風、あつくてジットリとしめっぽいのを…」吹かせたので、ジャイアンに「こんなうちにいられるか!!」言わせて退散させている。
しずちゃんには「ソヨソヨ」とやさしい風を、木にひかかったラジコンでは、強めの風を「ビュウ」と吹かせて、とってあげている。のび太としずちゃんといっしょに、下から上へと「ビュン ゴオ」と吹き上げられた風に乗って楽しんでいる。
ドラえもんは「のび太にバショー扇をかしたのはまちがいだった。どうせろくなことに使わないんだ!」と早合点し、のび太が否定している、「スカートをめくるとか…、台風でおふろのかべをふきとばすとか。なんてエッチなやつだ!!」と確信しながら、玄関に入るときこの扇を持って「バサ」と前にぶっ倒れてしまった。
すると、家の中では「ゴオオ…」と風が吹き荒れた。ママは帰宅したパパに、玄関前で「家の中の台風がおさまるまでは入れないの」と話していた。
[S1580・A3813・038506]