箱庭で松たけがり[★★]
[初出誌] 『箱庭シリーズ』、「小学三年生」1984年11月号、8頁、53コマ
[単行本] 『箱庭で松たけがり』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第38巻」1987年1月25日 初版第1刷発行、8頁、53コマ
[大全集] 『箱庭で松たけがり』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 15」2011年9月27日 初版第1刷発行、8頁、53コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『箱庭シリーズ』が『箱庭で松たけがり』に変更
「てきとうな日の光と雨で…」が「てきとうな陽の光と雨で…」に変更[241(8)]
「いいえ、これはユメです!わたしはぜったいに信じません!!」が「いーえ、これはユメです!わたしはぜったいに信じません!!」に変更[244(6)]
【単行本vs.大全集】
「とりたてだからさ、かおりも舌ざわりもなんともいえないんだ」が「とりたてだからさ、かおりも歯ざわりもなんともいえないんだ」に変更[238(2)]
[梗概] スネ夫は「松たけ山へいったんだ。もー、とりほうだいのたべほうだい。土びんむしやらやき松たけ、松たけめしにすい物…。とりたてだかさ、かおりも舌ざわりもなんともいえないんだ。はらいっぱいたべちゃった。きみたちもぜひいくといいよ。いや、高いからむりかな。アハハハ アハハハ」と自慢しまくって帰っていった。
のびたは「いつもながらあいつのじまん話は、じつにふゆかいでうらやましい。ドラえもんにたのんで…、しかしいくらドラえもんのポケットでも松たけ山は入っていないだろうな」と思って、暗い顔で家に帰った。
パパがプリプリしながら部屋に入ってきて、「友だちがこ~んなでっかいイワナをつったというんだよ。これで実力のちがいがはっきりした、くやしかったらおまえもつってみろというんだ。ぼくだってつりにいけばつれるんだ、いそがしくていけないだけだ!!」と畳を叩いてくやしがっていた。
イワナは山奥のけい流にしかいないと力説すると、ドラえもんはひみつ道具『箱庭シリーズ急流山』を取り出している。この道具のスイッチを入れると、水が循環して谷川ができ、ひみつ道具『瞬間成長ミニチュアけい流魚のタマゴ』をまくと、成長して大きくなった。
ドラえもんはパパに釣り支度をするようにたのみ、「スモールライト」で小さくなってこの道具の中に入ってもらった。すると、パパはイワナ釣りをして、大いに楽しんでもらうことができた。ドラえもんによれば、このシリーズには、『ロッククライミング練習用の岩山、スキー用ゲレンデ山、お子さま用ハイキング山、スリルいっぱい遭難山』などがある。
さらに、『松たけがり用赤松山』もあるというので、出してもらった。この赤松山に松たけの菌糸をまき、てきとうな陽の光と雨で…、十分ほどではえてくる」というものである。
しずちゃんを誘ってこの山には入ると、「大きな松たけが、あっちにもこっちにも、ニョキニョキはえてる!!」状態であり、とってもとっても取り切れないので、とりたての松たけをやいてたべることになった。
「うまい!! このかおり!! この舌ざわり!! おいしかった。はやく帰ってママをびっくりリさせよう」ということになった。
パパは「こんなにつれたのは生まれてはじめてだよ」と帰ってきた。大漁の釣りや大豊作の松たけをママに見せると、「い~え、これはユメです! わたしはぜったいに信じません!!」と目を回しながら叫んでいた。
[S1532・A3815・038411]