することレンズ[★★]
[初出誌] 『することレンズ』、「小学三年生」1983年10月号、9頁、65コマ
[単行本] 『することレンズ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第30巻」1984年4月25日 初版第1刷発行、10頁、73コマ
[大全集] 『することレンズ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 14」2011年6月29日 初版第1刷発行、10頁、73コマ
【初出誌vs.大全集】
「これで悪いことするのを」、「あきらめてくれればいいが……」コマ挿入[246(1)]
「文字なし」コマ挿入[246(2)]
「文字なし」コマ挿入[246(9)]
「強盗!!」コマ挿入[247(2)]
「やっぱりだ!!」、「ど、どうしよう」コマ挿入[247(3)]
「うちの人たちが帰ってきたみたい」コマ挿入[247(7)]
「ただいま」、「だれか奥でさわいでるみたい」コマ挿入[247(8)]
「火事をけしてくれたのかね」が「やあ、火事を消してくれたのですか」に変更[248(1)]
「おおっ、きみは!」、「あなたは!」、「おじさんは!」コマ挿入[248(2)]
[梗概] のび太はしずちゃんから、「チュウ」となきながら飛び出てくるネズミのビックリ箱をもらった。「ニヤ ニヤ」して帰ってきたのび太をあやしいとにらんだドラえもんは、ひみつ道具『することレンズ』で中味に気づき、のび太を「ゆるせない!!」と糾弾しながら、物を投げつけている。
このレンズを使うと、「これからなにをするつもりか見える」という非常に便利なものである。ママをこっそりこのレンズで見ると、お使いに行かせるつもりだったので、二人は外に逃げ出している。ジャイアンがやってきたので、このレンズで見ると、スネ夫をなぐるつもりであった。
そこへ、スネ夫がやってきたので、このレンズで見ると、二人をおもちゃの鉄砲で撃つつもりであった。それで、教えるのをやめると、ジャイアンからスネ夫は「もうゆるしてえ」と絶叫するまで殴られることになった。
暗あいおじさんがなにかを考えてやってきたので、このレンズで見ると、子どもを誘拐し、金庫を強奪し、窓ガラスを破って強盗するシーンが次から次へとでてきた。のび太は「けいさつへ!!」と主張したが、「まだなにもしてないのに、つかまえるわけにいかないよ」とドラえもんはためらっていた。
しばらくすると、ドラえもんにすばらしい考えが閃き、ひみつ道具『ドジバン』をその人の背中に「ペタ」と貼り付けた。この「ドジバン」を貼ると、なにをしても失敗するというものである。
その男が建設現場でボールを拾いに来た女の子を誘拐したら、鉄柱が「ガ~ン」と落下してきたので、ルミ子という女の子は災難を免れた。次に、カバンをひったくりしようとしたら、「ボカ ボカ」と殴り合いになり、二人ともダウンしてしまった。
そこへ、うっかりカバンを盗まれた主人がやってきて、「取りかえしてくれてありがとう」と感謝された。
りっぱな屋敷に出刃包丁を右手に持って、窓から侵入すると、部屋が燃えていたので、バケツで消火することになった。そこへさっきお嬢さんを助けてもらった親子三人が帰ってきた。部屋へ入るとバケツを持って消火を完了していた人を見て、「さっきの人だ」ということになった。
主人が「なぜきみがわしの家にるすの間に入ってきたのかね」の問いに対して、その人は「じつは…」と涙を流しながら説明し出した。主人が「ほうつとめていた会社がつぶれ、おくさんは病気…、お金がなくなってつい悪いことを。
しかし、わしはきみが悪い人とはどうしても思えない。よかったらわしの会社へこないかね」、「えっ、ほんとですか!?」といった会話がドラえもんやのび太の耳にもはっきりと聞こえてきた。
[S1431・A3013・038310]