エスキモー・エキス[★★]

[初出誌] 『エスキモー・エキス』、「小学三年生」19838月号、9頁、59コマ

[単行本]  『エスキモー・エキス』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第34巻」1985825日 初版第1刷発行、9頁、59コマ

[大全集] 『エスキモー・エキス』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 142011629日 初版第1刷発行、9頁、59コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 変更なし

 

 [梗概] ジャイアンは夏の暑い暑い日に、おやじが若い頃やっていた「がまん会」をやると言い出した。「下着や服やオーバーなど何枚もあつ着して、だんぼうを入れたへやであついあついうどんを食べ」、最後までがまんできた者が勝ちというルールであった。

 

 ただでさえ暑いのに、がまん会などしたら死んじゃうよと訴えるので、ドラえもんが「がんばってやってみようと思わない?」と尋ねても、その気が全くないのでドラえもんは渋々ひみつ道具『エスキモー・エキス』を出している。

 

  これは口からのむクーラーで、「あつい」と一言いうごとに気温が三度涼しく感じられるものである。のび太は調子に乗って「あつい」を八回も言ったので、気温も七度になり、あつ着をするしかなかった。

 

 西日の差し込む部屋を閉め切っておいたので、「ムン ムン ムン カーツ」と地獄のような暑さであった。みんなが暑い暑いというので、自分がいわなくてもまわりがいえば温度が下がり、現在は零下二度になっていた。

 

  ストーブがほしいと提案し、紙に「あつい」と書いてこんなことを言わないようにしよう。そのため、一回いうごとに罰金十円を払うことになった。

 

 「ギラ ギラ」太陽がまだ照りつく部屋で、スネ夫が意味不明なことを喚きながら、最初にギブアップした。次にジャイアンがやめ、二人がスッポンポンになったので、途中でしずちゃんは帰ってしまった。のび太だけがケロッとしているのが疑われ、「エスキモー・エキス」を奪われてしまった。

 

 二人は「あつい」言葉を連発しながら、このエキスを飲んで、スーッといい気持ちで横になっていた。外から、ジャイアンのかあちゃんが帰ってきて、「外はもうあつい、あつい、あつい、あつい…」と繰り返したので、しばらくすると、二人は「キ~ン」と凍って、氷柱みたいになってしまった。

[S1429A3402038308]