「時」はゴウゴウと流れる [★★]

[初出誌] 『むだ時間とりもどしポンプ』、「小学三年生」19835月号、9頁、66コマ

[単行本]  『「時」はゴウゴウと流れる』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第34巻」1985825日 初版第1刷発行、9頁、66コマ

[大全集] 『「時」はゴウゴウと流れる』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 142011629日 初版第1刷発行、9頁、66コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『むだ時間とりもどしポンプ』が『「時」はゴウゴウと流れる』に変更

 「今日みたいな時つかうために、大事な時間をのこしておかなくちゃ」が「今日みたいなときに使うために、大事な時間をのこしておかなくちゃ」に変更[202(6)]

 

 [梗概] 宿題提出の件では、のび太は先生に本気で怒られてしまった。のび太はスネ夫から借りた本を返すように請求され、しかも、ジャイアンが借りるため、二、三時間で返すように脅されている。さらに、ママからは往復二時間かかるお使いなどを、のび太は頼まれていた。

 

  しかし、のび太は「ニヤリ」とし、「こんなことであわたないのが、ぼくのえらいところさ」と言いながら、ドラえもんの前で「グウ グウ グウ」と昼寝を始めた。

 

 昼寝から起きると、のび太は「タイムマシン」を使用しようと思ったが、故障しており、「時門」、「逆時計」、「驚時機」などをあてにしていたが、すべて使うことができず、大騒ぎすることになった。

 

  ドラえもんは「自分が悪いんじゃないか」と注意したあと、ひみつ道具『タイムライト』を取り出してくれた。このライトで照らすと、時が「ゴオ ゴオ ゴオ」とすごい速さで流れているのを、目ではっきりと確認することができた。

 

 ドラえもんが「きみがひるねしてる間も、時間は流れつづけてる。一秒もまってくれない。そして流れさった時間は二度とかえってこないんだ!!」と厳しく説明すると、のび太は正座して「しらなかった…。もったいない…、とりかえしのつかないことをした」と心より悔いることになった。

 

のび太には時間の大事なことがわかったので、ドラえもんからひみつ道具『むだ時間とりもどしポンプ』を取り出してもらっている。このポンプを足で「キーコキーコ」踏むとムダにした時間を引き戻せることができた。しかし、時間が古くなるほど重くなるので、簡単には取り戻すことができなかった。

 

 のび太はこの機械によって十時間ほど取り戻すことができた。コックをひねると、世界中の時間の流れが止まり、のび太だけの時間が十時間流れることになった。たっぷり時間があったので、宿題をまず初めにパッパッと片付けようとした。

 

  「こうやってつくえの前にすわってても、頭が空まわりするばかり、時間のむだだなあ…。頭を休めよう」と横になると、危うくねむりそうになり、「せっかくドラえもんがたすけてくれたのに、またむだづかいするとこだった」と後悔した。

 

 しずちゃんに教えてもらおうとすると、しずちゃんは静止した状態ですでに宿題をやり終えていた。のび太は「そうか! こうやればとけるのか、なるほど。いっしょにやろうね。わかんないところがあったら教えてね」と言いながら終えることができた。

 

  スネ夫の本も物置で探し、ママのお使いを終えて家に帰ると、ちょうど「クタ」と時間切れになった。

 

 ドラえもんが「ハッ」と動き出すと、のび太からみんな終えたという話を聞いて、「よかったなあ、きみのことだから、きっとむだづかいすると思ってたのに。これからも時間を大切に…」と大感激していた。

 

  すると、のび太は横になり、「きょうみたいな時に使うために、大事な時間を残しておかなくちゃ」と言いながら、昼寝を始め出した。ドラえもんは「まるっきりわかっていない!!」と複雑な心境で腹を立てていた。

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