かべ景色きりかえ機[★★]
[初出誌] 『かべ景色きりかえ機』、「小学三年生」1983年4月号、9頁、52コマ
[単行本] 『かべ景色きりかえ機』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第31巻」1984年8月25日 初版第1刷発行、9頁、52コマ
[大全集] 『かべ景色きりかえ機』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 14」2011年6月29日 初版第1刷発行、9頁、52コマ
【初出誌vs.大全集】
「でも、お花見できなくてざんねんだった」が「でも、お花見できなくてざんねんだったわ」に変更[193(3)]
[梗概] 最後のチャンスである日曜日に、野比家は家族そろってのお花見計画を立てていた。しかし、突然、パパの急用でお花見が中止になってしまった。のび太はとても楽しみにしていたので、「あ~あつまんない」とふて寝しだした。
ドラえもんはひみつ道具『衛星中継』と『花咲か灰』を出して、楽しんでもらおうとしたが、のび太から「花見は、花の咲いている場所へいって、にぎやかにごちそうをたべるから楽しいんじゃないか」猛反発を受けることになってしまった。
ドラえもんは最後の手としてひみつ道具『かべ景色きりかえ機』を取り出した。この機械を使うと、かべを通してどこの景色でも見られるものである。花野山公園にきりかえると、「ワイ ワイ ガヤ ガヤ」ととても賑やかで、すごい人出のため腰を下ろすこともできない状態であった。
野比家の玄関が空いていたので、酔っ払いがやってきて、大声で歌い出したり、トイレを借りたり、冷蔵庫を開けたり、挙げ句の果ては「ドタ バタン」とけんかを始める始末であった。
ドラえもんがスイッチを切ると、酔っ払ったおじさんたちはキョトンとした顔をして、帰って行った。高いところから花見するように切り替えたので、だれにも邪魔されず、じっくり楽しむことができた。
ひみつ道具『グルメテーブルかけ』で花見だんご、ホットドッグとハンバーグをごちそうに成り、最後に、そよ風に乗って花びらの散る光景を見ながら、ジュースとコーラで「カチン」と乾杯した。
のび太のパパが帰ってきて、「きょうはのび太にかわいそうなことをした」、ママも「でも、お花見できなくて残念だったわ」との会話が漏れてきたので、ドラえもんとのび太はパパとママにもお花見を楽しんでもらうことにした。パパもビールを飲みながら、「夜桜もいいもんだね」とご満悦であった。
[S1425・A3114・038304]