しんじゅ製造アコヤケース [★★]

[初出誌] 『しんじゅせいぞうアコヤケース』、「小学三年生」198211月号、9頁、64コマ

[単行本]  『しんじゅ製造アコヤケース』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第28巻」1983825日 初版第1刷発行、9頁、64コマ

[大全集] 『しんじゅ製造アコヤケース』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 132011430日 初版第1刷発行、9頁、64コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「ぼくらもしんじゅをつくろう」が「ぼくもしんじゅを作ろう」に変更[289(9)]

 

 [梗概]  しずちゃんはママが婚約時に買ってもらったネックレスを、自分もこんなものが欲しいとながめていた。その時、スネ夫が宿題のわからないところを聞きやってきた。しずちゃんのネックレスを見て、「それをつけてるとお姫さまみたいだよ」と絶賛し、連れ出して、みんなに「少なくとも三百万円はするね」と紹介している。

 

 のび太がネックレスを手に取ってみていたとき、割り込んできたジャイアンが「さっさとみせろってんだよ」と、「グイ」と引っ張ったので、パラパラと真珠の玉が飛び散ってしまった。探したが、五個ほど足りないことがわかり、しずちゃんが「叱られる。ウワ~ン」と号泣し出した。

 

  スネ夫は塾、ジャイアンはお使いといって家に帰ってしまった。のび太は「きっとなんとかするから。そこでまって」と言いながら、ドラえもんの助けを求めて家に帰っていった。

 

 「しんじゅのネックレス」そんなものあるわけないと一蹴されたが、「のび太が「冷たいいい方だなあ。しずちゃんがあんなにこまって…、なやんでいるのに」と泣きながらつぶやくと、ドラえもんはひみつ道具『しんじゅ製造アコヤケース』を出してくれた。

 

  この機械にしんじゅのしんを入れ、ビニールプールに水をはって、ひみつ道具『海水のもと』をふりかけ、三ヶ月間海水につけておくと本物の真珠を作ることのできるものである。

 

 のび太が広場に行くと、しずちゃんのママが「ネックレスなんかもちだして、なくしたらたいへんよ」と言いながら、しずちゃんを探していた。

 

  ドカンの陰に隠れていたしずちゃんから「三か月なんかまてない」と言われたので、のび太が「三分でできないかしら」と尋ねると、ドラえもんから「カップメンじゃあるまいし」と叱られてしまった。しかし、しずちゃんの「タイムふろしきを使ってもだめ?」と念を押されると、それでも三十分はかかるという返事であった。

 

 野比家の庭で真珠を作っていたら、しずちゃんのママが尋ねてきたので、のび太のママが「しずちゃ~ん。おかあさまがご用ですってよ|」と大声で呼び出した。

 

  三人は、パニック状態になったが、ドラえもんがひみつ道具『わすれろ草』をしずちゃんに手渡し、ママににおいをかいでもらうことに成功した。しずちゃんのママが思い出す前に、作り出そうとしていたら、三十分が経過して、「チーン」となり新しいきれいな真珠ができあがった。

 

 しずちゃんのママが化粧しているとき、ネックレスの件を思い出した。走って野比家に行くとき、スネ夫に会うと、いきなり、「のび太が悪いんです」と、意味不明のことをしゃべり出した。

 

  そこへ、しずちゃんが「ママ、ネックレスならここに」と駆けつけてきた。ママがネックレスにさわりながら「前より大つぶできれいになったみたい」と言うので、しずちゃんはのび太にウインクしている。

 

 スネ夫は「しんじゅ製造アコヤケース」の話を聞き、ぼくも真珠を作ろうと、このケースのフタを開けてのぞいていると、突然、「バタン ワッ、たすけて!!」となってしまった。

 

  スネ夫のママが「スネ夫がきてませんざますか」と尋ねてきたが、だれもその後、スネ夫の姿を見かけませんでした。ドラえもんとのび太がケースを片付けに行くと、ケースの中から、あざやかなスネ夫の真珠がでてきました。

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