○□恐怖症[★★]
[初出誌] 『きょうふのスタンプ』、「小学三年生」1982年1月号、9頁、66コマ
[単行本] 『○□恐怖症』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第27巻」1983年4月25日 初版第1刷発行、9頁、66コマ
[大全集] 『○□恐怖症』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12」2011年3月30日 初版第1刷発行、9頁、66コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『きょうふのスタンプ』が『○□恐怖症』に変更
[梗概] みんながドカンのある広場で、なにが怖いか話をしていた。しずちゃんは地震、安雄はオバケ、はる夫はクモ、スネ夫はノストラダムスの大予言を挙げていた。ジャイアンが「くだらないものがこわいんだな。
こわいものなしはおれだけか。ガハハハ」と豪快に笑っていると、のび太は「うそだよ、かあちゃんがこわいくせに」と、茶々を入れた。
ジャイアンは「いまいなかへいっていないんだ!! のび太! 人のことよりおまえはどうなんだ」と胸ぐらをつかんで、凄んできた。スネ夫が「こわいものがおおすぎて、なにがいちばんこわいかわかんないだろ」と、口をはさんだ。すると、ジャイアンの提案で、のび太を怖がらせるコンテストが開かれることになった。
最初、はる夫のケムシで五センチ、安雄のヘビで十五センチ、スネ夫のカマキリで三十センチ、「も、もういやだ!!」と帰ろうとするのび太に、ジャイアンが「逃げるな!!」と、怒鳴ると一メートルになり、いちばん怖いものは、ジャイアンに決まった。
のび太から話を聞いて、「なんてざんこくな!!」と憤ったドラえもんはひみつ道具『恐怖箱』を出し、タケコプターで空から、恐怖箱の中から怖いものを取り出して、ジャイアンの目の前に次から次へと落としている。
怖がるそぶりが全くみられなかったので、あきらめて帰ろうとすると、屋根の上で高所恐怖症のため降りられなくなって、騒いでいる男性を助けることになった。
ドラえもんはこのケースを参考に、ひみつ道具『恐怖症スタンプ』を取り出し、ジャイアンを円型恐怖症にしている。ジャイアンの背中にこのスタンプを「ポン」と押すと、小さい男の子から奪った円形のお菓子をなめていたが、突然「キャー丸い!!」と絶叫して、逃げ去っている。
その後、ジャイアンは自転車の輪、女の子のボール、小さな子どもたちの持っていた風船をみて「こわいよぉ」と逃げ回っている。
もっと丸いものを集めて怖がらせようと、相談して歩いていると、ジャイアンが突如木陰から現れ、「へんだへんだと思ったら。やっぱりおもえらのしわざかよくもよくも…」と脅しをかけてきたが、突然、「キャー」と叫んで逃げて行ってしまった。
ドラえもんとのび太はお互いに、「丸い顔でよかったなあ。メガネをかけててよかったなあ」と握手を交わすことになった。
[S1235・A2715・038201]