空気中継衛星[★★]
[初出誌] 『空気中けい衛星』、「小学三年生」1981年12月号、9頁、57コマ
[単行本] 『空気中継衛星』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第26巻」1983年1月25日 初版第1刷発行、9頁、57コマ
[大全集] 『空気中継衛星』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12」2011年3月30日 初版第1刷発行、9頁、57コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] ジャイアンの家のストーブが壊れ、寒さを紛らわすため、ジャイアンはスネ夫とのび太に「来シーズンにそなえて特訓だ!」と檄を飛ばしながら、ノックをしていた。あまりにも寒く、ジャイアンも「ハクション」をしたので、スネ夫の家にある面白い世界の空気のカンヅメを見に行くことになった。
スネ夫が「ハワイの空気のカンヅメなんか、こうやって目を閉じると、波の音やハワイアンが聞こえてくるような」と頬に当ててウットリしていた。のび太が「プシュ」と開け、「クンクン」においをかいてもなんてことないやと思った。
すると、スネ夫は顔を真っ赤にして、「開けたらそれっきりじゃないか。これはかんのままゆめを楽しむものなんだぞ」と訴え、のび太に対して、「ハワイの空気返してくれ!!」と要求している。
この話を聞いて、ドラえもんはひみつ道具『空気中継衛星』を出し、第一衛星を打ち上げ、第二衛星へ空気を電送してもらうことにした。針を地球儀型の「空気中継衛星」のハワイへ刺すと、第一衛星がハワイの上空に止まり、衛星中継でハワイの空気が送られてきた。
耳を澄ますと、波の音や、やしの木の葉ずれ…、さわやかなそよ風…を感じることができ、ほんとにハワイにいるみたいな気になった。たっぷり大きな缶にハワイの空気を詰めてスネ夫に返している。
しずちゃんと疑い深いスネ夫を連れてきて、のび太が針を適当に「空気中継衛星」に刺すと、「ビュビュウ」と寒い風が吹き、北極に刺したことに気づいた。暑いアフリカのケニヤに刺すと、きゅうに暑くなり、草のにおいがし、遠くでライオンが吠えているのを耳にすることができた。
スネ夫がジャイアンに、「のび太がすごいものもってるよ」と電話すると、ジャイアンが来てこのセットを強引に持っていってしまった。ジャイアンが針を刺すと「ゾク ゾク」と寒くなり、「このうそつき!!」と追い掛けられることになった。よく見ると赤道付近であったけれども、針はキリマンジャロ山に刺さっていた。
スネ夫がポリネシア島を刺して温かくしようとしたら、ストーブもいらないやとジャイアンが喜んでいたが、突如、「ザア」と島はスコールになってしまった。タンコブをつくられたスネ夫は「サハラ砂ばくにしよう、ここなら雨がふらないだろ」と思ったが、砂あらしになってしまった。
スネ夫が場所を変えると、部屋の中は「ビュゴオオ」と竜巻になり、外からドラえもんとのび太が部屋を見ると、ふたりは部屋の中で竜巻に吹き飛ばされていた。
[S1234・A2611・38112]