アワビとり潜水艦出航[★★]
[初出誌] 『ラジコンせん水かんセット』、「小学三年生」1981年9月号、9頁、60コマ
[単行本] 『アワビとり潜水艦出航』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第26巻」1983年1月25日 初版第1刷発行、9頁、60コマ
[大全集] 『アワビとり潜水艦出航』、「藤子・Ｆ・不二雄大全集 ドラえもん 12」2011年3月30日 初版第1刷発行、9頁、60コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『ラジコンせん水かんセット』が『アワビとり潜水艦出航』に変更
[梗概] のび太が「ゴホン ゴホン ゴホン ズ～」と風邪をひいて、歩いていると、スネ夫から「四丈半島の別荘へいくんだよ。ぜひきみも、さそおうと思っていたのに」と声を掛けてきた。
そして、スネ夫は「ウニやアワビやサザエがごろごろ…。とりたてをツボヤキにすると、おいしいのなんのって…。ジャイアンやしずちゃんもくるんだけど。かぜじゃしょうがないな」となぜか楽しげに帰っていった。
ドラえもんが「スネ夫くんが別荘さそうなんてめずらしい」と感想を漏らすと、のび太は「かぜをひいたからだよ、あいつはそういうやつなんだから」と腹を立て、横になって寂しげに、「とりたてのサザエ…、ツボヤキ…」とつぶやいていた。
その姿を見てドラえもんはひみつ道具『ラジコン潜水艦セット』を取り出し、これでサザエを採りに行こうとのび太を誘っている。
潜水艦を川に沈め、家で潜望鏡に映ったシーンをモニターしていた。潜望鏡を下げて全速力直進を命令すると、「ブシュー」と快適にスピードアップして、魚も泳いでいるきれいな海に入った。地図に四丈半島までの、航路を書いて、セットすると、明日の朝までには四丈半島へ到着することができる。
四丈半島の別荘をのぞいてみると、スネ夫が「ドサ ドサ」と海へゴミを捨てていたので、ドラえもんは潜水艦からタコスミ魚雷を「シュバ」と発射し、「ボカ」と命中させ、スネ夫を真っ黒にしている。
ジャイアンとしずちゃんを誘って、スネ夫は海底でサザエ採りを始め出した。ドラえもんが潜水艦スライドで人魚を岩の上に映したので、それを見てスネ夫はアッと驚いて、みんなをその場に連れてきた。そのときには、人魚も消え、ジャイアンから「そんなものいるわけないだろ」と叱られている。
潜水艦のサザエ採り装置で、「スポ スポ」と面白いように採取し、網に入れていると、スネ夫がやってきて、「おもちゃのくせに、こんなサザエをとって。なまいきだ、よこせ」と強奪し、潜水艦を右足で蹴飛ばした。
潜水艦から吸盤を発射して、「ピタ」とスネ夫のお尻に吸着させ、強力に引っ張った。すると、海水パンツは脱げ、サザエの入った網も捨てて、ほうほうのていで岸近くまで辿り着いた。
スネ夫はジャイアンから「ごはんだってよ」、しずちゃんからも「どうしてあがらないの？」尋ねられたが、困惑しきった表情で、「いいからさきにいってて」と対応していた。
潜水艦を呼び戻すと、大量のサザエとスネ夫の海水パンツを回収することになった。ドラえもんは「かえしてやったらどんな顔をするかな」と楽しげにのび太に語りかけている。
[S1231・A2606・038109]