のび太のスペースシャトル [★★★]
[初出誌] 『のび太のスペースシャトル』、「小学三年生」1981年6月号、20頁、123コマ
[単行本] 『のび太のスペースシャトル』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第25巻」1982年8月25日 初版第1刷発行、20頁、124コマ
[大全集] 『のび太のスペースシャトル』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 12」2011年3月30日 初版第1刷発行、20頁、124コマ
【初出誌vs.大全集】
「ワー、ホームラン」が「わあ、ホームラン」に変更[230(6)]
「ワー」が「わあ!」に変更[231(4)]
「ワーッ、うら山が星になった!」が「わあっ、裏山が星になった!」に変更[239(6)]
「気分をこわさないでよ」コマ挿入[241(3)]
「気分をこわさないでよ」が「ここは大宇宙」、「はじめて来た星なんだ!!」に変更[241(4)]
「あーっ、あそこに!!」が「ああっ、あそこに!!」に変更[241(5)]
「あーっ、ロケットをとられた」が「ああーっ、ロケットをとられた」に変更[243(5)]
「まてーっ!」、「かえせーっ!」が「待てえっ!」、「返せえっ!」に変更[243(6)]
[梗概] のび太が熱中して発明したスペースシャトルを無事完成することができた。かっこ悪いと言われたが、ジャイアンとスネ夫の前で、「プシュ」となんとか飛ばすことができた。中には風船が入っていたので、ジャイアンがもっと飛ばしてやると言いながら、思いっきり「プ~」と空気を入れると、「パカ」と破裂してしまった。
泣きじゃくって帰ってきたので、ドラえもんが「なくなよ、たかがおもちゃをこわされてぐらいで」と慰めると、「おもちゃとはなんだ! この実験に成功したら、うんと大きいの作って、宇宙ヘとびたつつもりだったのに。ぼくが考えたんだ。だれにもいうなよ、まねされると困るから」とまじめに言うので、ドラえもんも「アーッ ハッハッハ アハハ アハハ ヒー ヒー ヒク ヒク」と笑い転げてしまった。
のび太は顔を真っ赤にして、「どうせぼくはばかだよ。発明なんて考えないで、ひるねしてりゃいいんだよ、ぼくなんか」とひねくれて、ふて寝を始め出した。
ドラえもんはひみつ道具『ロケットストロー』を出した。このストローを口にくわえて息を吹き出すと、ロケットガスと同じくらいの力が出るものである。
おもしろいので外にもって出掛けると、敵のボールが飛んできたので、このストローで、「フッ」と吹くとホームランになってしまった。怒って殴りかかろうとしたジャイアンを「フッ」と吹くと、遠くのほうへ飛んで行ってしまった。のび太とドラえもんはロケット遊びをして、空中を自由自在に飛び回っていた。
やがて、けんかになって地上でお互いに「ブウ ブウ ブウ ブブウ」と吹きあったので、吹き飛ばされて「ガツン」と電柱にぶつかったり、しずちゃんや出木杉も犠牲になって、「ゴオ ゴオ ビュゴオ」と吹き飛ばされることもあった。
出木杉にこのストローを紹介すると、本物のロケットを制作しようと言い出した。出木杉の設計したロケットがみんなの協力で、野比家の庭でついに完成した。真空の宇宙を飛べるほど丈夫にできていなかったので、学校の裏山まで飛行することにした。
途中、のび太が「ブツ ブツ」文句を言って、宇宙へ行きたいというので、ドラえもんはひみつ道具『宇宙探検ごっこヘルメット』を取り出している。これをかぶると、何でもない景色が宇宙に見えるというものである。
このヘルメットを全員がかぶると、学校の裏山が星になった。スピードを落として、着陸すると、遠くに町が見えたので、近づくと宇宙人が住んでいるような町だった。向こうから宇宙人がやってきたので、話し合ってみると、「くだらん遊びばかりしてないで、勉強しなさい!」と怒鳴られ、先生らしいことがわかった。
さらに、一行は冒険を続けると、ジャイアンとスネ夫が着陸していたロケットに乗り込んで、空中に飛び出してしまった。
みんなはタケコプターで追いかけたので、ジャイアンとスネ夫の乗ったロケットは追いつかれそうになった。全速力で逃げるため、ジャイアンが思い切って息を「ブー!!」と吹いたら、鼻水が出てしまった。「おまえ早くふけ!! いやだ。いやだ」と言いながら、追いかけっこしている間に、ロケットは地上に墜落してしまった。
その光景を見て、ドラえもんは「宇宙旅行は危険だねえ」というと、のび太もしずちゃんも出木杉もその意見に同意することになった。
[S1228・A2504・038106]