まあまあ棒[★★]
[初出誌] 『まあまあ棒』、「小学三年生」1981年1月号、9頁、58コマ
[単行本] 『まあまあ棒』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第23巻」1982年1月25日 初版第1刷発行、9頁、58コマ
[大全集] 『まあまあ棒』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 11」2010年11月30日 初版第1刷発行、9頁、58コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] のび太は学校でも、往来でも、家庭でも、怒られてばかりいるので、「もういやだっ!!」と泣いてドラえもんに訴えていた。ドラえもんから「おこられるようなことするからだ」といわれ、半ば納得したが、「ジャイアンなんか、あいつのほうが悪いんだ」と反論し、「こうしょっちゅうじゃたまんないよ」と言いながらふて寝をはじめ出した。
ドラえもんはひみつ道具『まあまあ棒』を出し、ママの耳元で、のび太がママのことを出目フグであると言っていると告げた。
すると、ママが顔を真っ赤にして、のび太の胸ぐらをつかんだので、ドラえもんがママの口に「まあまあ棒」を当てると、「ま、いいわ」ということになった。「どんなにおこってても、これで口をおさえて、「まあまあ」といえば静まる」という重宝な道具である。
ジャイアンに会ってこの道具を試そうとしたが、こわいのでUターンすると、「やいっ、なんで人の顔みてにげた」と殴りかかろうとしてきた。それで、「まあまあ棒」を口に「ピタ」と当てると、なんでもなかったかのようにさっていった。
しずちゃんに会ったので、「いかりまくるジャイアンを、ピタッと静めてみせる」と言いながら、ついてきてもらった。
ジャイアンが「おれはな、日ごろからおまえの目つきが気に入らなかったんだ」と凄んで、スネ夫の胸ぐらをつかんで殴ろうとしたので、「まあまあ棒」を口に当てた。
静かになったジャイアンを見て、しずちゃんは「もうじゅう使いみたい。魔法使いみたい」と、手をたたいて称賛している。この光景を見て、スネ夫はのび太の「まあまあ棒」を奪っている。
スネ夫がジャイアンに会うと、「べー」と思いっ切り舌を出したので、ジャイアンは顔を真っ赤にして、「ムガーッ」と腹を立てた。しかし、この棒を使うと、一瞬に、静かになり、次に、お尻を思いっきり蹴ったときも同様であった。
この道具は本来、「いかりを静めるものではなくて、腹の中へのみこんで、がまんさせるもの」であるので。やたらにのみこませると、腹の中につもりつもったいかりが火山のように大爆発する。ジャイアンは「ウ~。プスッ プス」と爆発寸前の状態であったので、人家に被害が出ないように、そうっとそうっと、広場にドラえもんとのび太は誘導していた。
スネ夫は紐にぶら下げた毛虫で、ジャイアンを怒らせようとしたので、ジャイアンは「ボガン」と大爆発を起こしてしまった。ドラえもんは「あのすさまじいエネルギーを、なんとか平和に利用できないものだろうか…?」と、口をあんぐり開けて、つぶやいていた。
[S1135・A2306・038101]