かしきり電話[★★]
[初出誌] 『貸し切り電話』、「小学三年生」1980年11月号、9頁、59コマ
[単行本] 『かしきり電話』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第43巻」1992年1月25日 初版第1刷発行、9頁、59コマ
[大全集] 『かしきり電話』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 11」2010年11月30日 初版第1刷発行、9頁、59コマ
【初出誌vs.大全集】
「十円でジャンボがかりられるものか」が「十円でジャンボが貸りられるものか」に変更・校正ミス[291(1)]
「会場をかりよう!!」が「会場を貸りよう!!」に変更・校正ミス[292(2)]
「気のどくで、どこもかりられない」が「気のどくで、どこも貸りられない」に変更・校正ミス[293(6)]
「ぼくらモジャンボをかりて」が「ぼくらモジャンボを貸りて」に変更・校正ミス[294(3)]
「そうだ!強い味方をかりよう」が「そうだ!強い味方を貸りよう] に変更・校正ミス[295(6)]
【単行本vs.大全集】
「十円でジャンボがかりられるものか」が「十円でジャンボが貸りられるものか」による校正ミス[291(1)]
「会場をかりよう!!」が「会場を貸りよう!!」による校正ミス[292(2)]
[梗概] ジャイアンがリサイタルを始めると雨が降り出した。「まだ一曲も歌っていないんだぞ。やねのある会場をさがす」ということになり、のび太とドラえもんが会場をさがす係になった。のび太が「会場だしてよ」と頼むと、ドラえもんは「そんなもんあるかよ」といいながら家に帰った。
家に帰ると、パパとママが「飛行機に乗りおくれた。会社のしごとで九州へいかなくちゃいけなかったのに」、「時計をこわれたままにしておくからですよ」と大騒ぎしていた。
その光景を見て、ドラえもんはひみつ道具『かしきり電話』を出し、ママから十円を借りて、「もしもし、航空会社ですか? 飛行機一台、かしてほしんですが」と依頼すると、「空港でジャンボがまってるって」となったが、パパが「十円でジャンボがかりられるもんか。ああっ、ぼくはもうおしまいだ!!」と頭を抱えていた。
ドラえもんはママからさらに十円を借り、パトカー一台をかり出すと、おまわりさんがやってきて空港まで「ピーポ ピーポ」とおくってくれた。モニターでチェックすると、パパはひとりジャンボに乗って、「ゴ~」と離陸するところを確認することができた。
この光景を見て、「かしきり電話」で会場をさがすことを決めた。山田さんのうちはせまいし、川口さんのうちは赤ちゃんがいるし、しずちゃんのうちはかわいそうということになり、結局、家の広いスネ夫のうちにすることに決めた。
「もしもし、骨川さん? おたくをリサイタルの会場にかりたいんですが」と電話すると、ママが「どうぞどうぞ」とふたりを出迎えた。スネ夫が「ジャイアンの歌をきいたことないからだ」、「ひきうけたからには、やってもらうざます!!」、「あのひどい歌がしみついたら、二度とこの家に住めなくなるよ~」と泣き喚くので、ママから十円を借りて取り消すことにした。
「ボエ~」と練習している声が聞こえ、「あと三十分!! それまでにみつけてこなければ、雨にぬれた空き地にすわらせるぞ」と命令された。最後の手段としてジャイアンの家に電話をし、かあちゃんから会場の許可をもらった。会場が決まったけれども、スネ夫は腹痛、はる夫はゆびにトゲ、しずちゃんは風気味といずれも不参加となった。
ドラえもんは強いプロレスラーの味方をつれ、「みんなつごうが悪くなってこられないというんだがね。文句あるかね」、「あ、あ。ありません」となった。
ジャイアンは「客がいないんじゃ、リサイタルは中止だ」というと、かあちゃんは「そうはいかないよ、会場をかしたんだから」となり、ジャイアンは木の箱の上に立って、「ボエ~」と歌い出した。かあちゃんとジャイ子は両手で耳を押さえ、「オエ~」とうめき声を上げることになった。
[S1133・A4304・038011]