エスパースネ夫[★★]
[初出誌] 『ぼくはエスパーだ!』、「小学三年生」1980年7月号、9頁、59コマ
[単行本] 『エスパースネ夫』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第31巻」1984年8月25日 初版第1刷発行、9頁、59コマ
[大全集] 『エスパースネ夫』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 11」2010年11月30日 初版第1刷発行、9頁、59コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『ぼくはエスパーだ!』が『エスパースネ夫』に変更
「ほんとに、あののび太ってやつはマンガみたいなやつだよ」が「ほんとにあののび太ってのは、まんがみたいなやつだよ」に変更[243(2)]
[梗概] のび太は手を触れずにものを動かすことのできるテレキネシスの練習をしていた。ドラえもんがひみつ道具『エスパーぼうし』を出してくれたが断って、自分の力だけで本物の超能力者になろうとしていた。
きょうもドカンに座って、目の前の十円玉を動かすため、心をしずめ、「動け…動け…」と心の中で繰り返していた。スネ夫が落ちていた十円玉を拾ったので、のび太はテレキネシスのけいこの最中だと怒鳴った。すると、スネ夫だけでなくジャイアンやしずちゃんからも信じてもらえず、みんなの物笑いの種にされてしまった。
のび太はくやしさのあまり熱を出し、横になっているのを見て、ドラえもんもちょっとかわいそうになってしまった。スネ夫がエスパーなんかいないんだといっているのを耳にして、ドラえもんはスネ夫をエスパーにすることに決めた。
ドラえもんとのび太はひみつ道具『かたづけラッカー』で姿を消し、スネ夫の家にやってきた。スネ夫は「ウヒャヒャヒャヒャャ…。ほんとにあののび太ってのは、まんがみたいなやつだと」と笑い転げていたので、のび太は座っていたスネ夫の籐椅子を「ドン」と蹴り飛ばした。
さらに、スネ夫が「あいつときたら…。たとえばあの灰皿をジーッとみるだけで、動かせるというんだからな」と軽蔑していた。しかし、のび太は灰皿を「ピョコ ヒョイ」持ち上げたので、スネ夫は「みただけで動いた!! ぼくはエスパーだ!!」と考え、みんなにみせてやろうと思って駆けだした。
途中で、「まてよ…もしなにかのまちがいだとはじをかくぞ、もっと確かめなくちゃ」という心境になった。道路の紙くずをジッとみつめると、動いたが、風が吹いたのかもしれないと思った。スネ夫は空き缶をみたり、ドカンをみたりするだけで、それらが動いたりすることを確認することができた。
疑り深いスネ夫は「エスパーなら念力で、自分のからだを浮かべることができるはずだ」と考えた。のび太は急きょタケコプターを借りて、空中にスネ夫を持ち上げた。こうした実験によって、スネ夫は自分がエスパーであることを確信した。
しずちゃんやジャイアンに連絡し、スネ夫は「ご町内のみなさま。エスパースネ夫がおどろくべき超能力をはじめて公開いたします」と宣伝し出した。
町内の人たちの目の前で、スネ夫は「ジー…。おかしい! ちょっと今、調子が…。今度こそ動くからね」と顔を真っ赤にし、冷や汗を垂らしながら、懸命にデモした。かたわらでドラえもんは「スネ夫はむじゃきだなあ」と、のび太ともども笑っていた。
[S1129・A3104・038007]