雪がなくてもスキーはできる[★★]
[初出誌] 『雪のないスキー』、「小学三年生」1980年4月号、9頁、60コマ
[単行本] 『雪がなくてもスキーはできる』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第21巻」1981年5月25日 初版第1刷発行、9頁、60コマ
[大全集] 『雪がなくてもスキーはできる』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 11」2010年11月30日 初版第1刷発行、9頁、60コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『雪のないスキー』が『雪がなくてもスキーはできる』に変更
[梗概] いつものように練習もしないで、春が来ると、のび太は「この冬こそスキーを、すべれるようにと思ってたのにすべれないうちに春がきた」と、大粒な涙を流しながらドラえもんに嘆きのが慣例となっていた。
ドラえもんは、かぶった人にだけ雪が見えて、しかも、さわったり、すべったりできるひみつ道具『いつでもスキー帽』を取り出すことになった。
桜の咲いている広場で、この帽子のダイヤルを五十センチにセットすると、大雪の降り積もった雪の広場になった。ゲレンデになっていないので、『坂道レバー』を出してもらって、前に倒しながら緩い坂道で、のび太は滑りの練習を始めた。
広場にはしずちゃんがいたので、手を振ると、バランスを崩して「スッテン」と転び、そのはずみで帽子が脱げてしまった。すると、雪も消え、地面に放り出されてしまった。
しずちゃんもドラえもんからこの帽子を借り、一緒にスキーをすることになった。しずちゃんは「坂道レバー」をあっという間にマスターして、「スイ スイ」とすべれるようになった。一方、のび太はすべっている時間よりも、「ゴロ ゴロ」転がっている時間のほうが長い状態であった。
ジャイアンとスネ夫が二人を見つけて追い掛けてきたので、帽子のダイヤルを操作して雪をもっと深くして、大雪の町の見物に出掛けてしまった。
スネ夫は帽子に秘密があると考え、ドラえもんに屋根の上にボールを引っかけたので、高いところに手の届く道具を出してほしいと頼んでいる。『ジャック豆』を借りたので、それを使って高いところにいた二人の帽子を「スポ」と奪うことに成功している。
ダイヤルを回すと雪がどんどん増え、はるか向こうに東京タワーのてっぺんが見えるようになった。帽子を取られたことをドラえもんに報告すると、意外や意外、しばらくほっとけばいいとの返事であった。
二人は雪を消したら、二百メートル真っ逆さまに落ちるのでどうしていいかわからず、のび太がドラえもんと一緒に「タケコプター」を使って探しに行くと、高い空中で二人は抱き合って泣き崩れていた。
[S1126・A2101・038004]