大あばれ、手作り巨大ロボ [★★★]

[初出誌] 『巨大ロボットを組みたてよう』、「小学三年生」19802月号、20頁、111コマ

[単行本]  『大あばれ、手作り巨大ロボ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第23巻」1982125日 初版第1刷発行、21頁、121コマ

[大全集] 『大あばれ、手作り巨大ロボ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1020101030日 初版第1刷発行、21頁、121コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『巨大ロボットを組みたてよう』が『大あばれ、手作り巨大ロボ』に変更

 「とまれえっ」コマ挿入[295(1)]

 「ズシン」コマ挿入[295(2)]

 「止まれ!止まってくれえっ」コマ挿入[295(5)]

 

「なにしてんの」、「あつ、ドラえもんたいへんだ」コマ挿入[295(6)]

「あつ、ドラえもん大へんだ」コマ削除[88(3)]

「文字なし」コマ挿入[295(8)]

「メキメキ」、「バリ」コマ挿入[296(4)]

「十日以上かかるな」が「十時間以上かかるな」に変更[296(6)]

 

「そんな使い道がざらにあるわけないし、十時間飛びつづけるしかない」コマ挿入[297(2)]

「かってにつくるからわるいんだ!!」が「かってに作るからいけないんだ!!」に変更[297(4)]

 

「きみたちの村は、この山をこえた谷ぞいにあるの」、「送ってあげよう」コマ挿入[298(2)]

「しっかりつかまって」コマ挿入[188(3)]

「学校へ近道」コマ挿入[300(1)]

「明日の朝、びっくりするよ」コマ挿入[300(2)]

 

 [梗概] スネ夫はラジコンマニアのいとこが作ってくれた、動くロボットをみんなの前で操作していた。ボクシングのグローブをはめた、正義の味方「ラジコンロボ」のパンチの威力をのび太をターゲットに試していた。のび太を救い出したドラえもんは、あんなくだらない物作ってと猛烈に腹を立てていた。

 

 のび太がロボットをほしがるので、「きみ、何年生になったんだい?」と問い詰めると、「何年生だろうがほしい物はほしい!!」と反論してきた。ドラえもんはひみつ道具『タイタニックロボ』というプラモデルを取り出した。完成すると十メートルにもなる巨大なロボットである。

 

  庭では作ることも動かすこともできないので、「どこでもドア」で山奥へ行って、だれにも邪魔されずに作ることにした。実際、完成するまでに二、三日かかるが、ドラえもんは「問題はせっかく作っても、力をふるう相手がなかなか見つからないことだ」と嘆いていた。

 

  ロボットの下半分を作り終わると夕方近くになっていた。山奥であったけれども、子どもたちが三人、山を登って家路に急ぐ姿を見ることができた。

 

 学校では、のび太ひとり教室に残され、忘れてきた宿題を「ヒ~…」と言いながら、やらされていた。学校帰り、きょうも宿題が出たので、ロボットのことをしばらく忘れて、まじめに勉強しようと決心した。

 

  のび太は突然、「ドガ」と蹴り飛ばされた。スネ夫はキック装置をロボットに装着してもらったので、その実験のために蹴られたのだとわかった。

 

 のび太は家に帰ると、宿題のことなど、「くそくらえだえだっ!!」とドラえもんに叫び、カバンを投げつけて、「どこでもドア」からドラえもんを強引に押し出して、ロボット作りに出掛けている。

 

  なんとか今日中にと思って、「ガチャ ガチャン」と大急ぎで作り出したが、あと少しのところで、冷え込み、さらに、真っ暗になったので、あきらめて帰ることにした。

 

 宿題をしないで「グウ」と寝てしまったので、次の日も残されてしまった。のび太は「もういやだ! きょうこそまじめに勉強やろう!! かたく心にちかったのであった!!」 しかし、待ち伏せていたスネ夫たちが「新しくつけたハンドルミサイルを試してみたい」と話し合っていたので、見つからないように走って家に帰った。

 

  家に帰ってもドラえもんがいないので、ひとりででかけることにした。山奥では雪が激しく降っていたが、のび太はがんばってロボットを完成させることができた。

 

 のび太が操縦室に入って、運転を始めると、「ウガガー」の声とともに空に飛び出すことができた。「ウヒャ ハハハ キヒャ ヒヒヒ」と大喜びしていると、スネ夫のグランドロボと決闘する気持ちになり、「ゴゴ ゴゴ ゴゴ」とスネ夫とジャイアンが遊んでいる広場までひとっ飛びした。

 

 タイタニックロボをグランドロボが見ると、「ギギー ガー」と奇声を発し、殴りかかってきたが、タイタニックロボが「ヒョイ ズシ ペチャ」と踏みつぶしてしまった。スネ夫は「ペラペラになったあ」と泣きじゃくっていた。

 

 「どこでもドア」で帰って、宿題を始めようとしたら、タイタニックロボは勝手に「ズシン ズシン」と動きだし、腕であたりの木々を「バキ メキ メキ バリ バリ」となぎ倒し出した。そこへ、ドラえもんが帰ってきたので、操縦室に入って点検すると、コントロール装置を作りまちがえていることに気づいた。

 

  電池が切れるまで操縦を続けるほかないということになり、山がメチャメチャになるので、ひとまず空を飛ばせることになった。

 

 単三の電池が四本で動いているので、電池が切れるまでにはあと十時間以上かかることがわかった。宇宙怪獣なんかと戦えば、すぐエネルギーがなくなるけれども、そんな使い道がザラにあるわけもないので、十時間飛び続けるしかなかった。

 

  のび太が「宿題があるんだ。おろしてくれえ!」と泣いて叫ぶと、ドラえもんは「かってにつくるからいけないんだ!!」と怒鳴りつけている。

 

 吹雪になり、飛び続けても全然電池のエネルギーがへらなかった。下を見ると三人の子どもたちが倒れていたので、ロボットからおりて、聞いてみると、この山を越えた谷沿いにある村へ帰る途中であった。

 

  三人をロボットに乗せて飛んでいるとき、「ぼくらの家がこっちの谷、分校は反対側の山のふもと。毎日三時間歩くんだよ」という話を聞いているうちに、村に到着した。

 

 あいだに山さえなければ、苦労しないと思っていると、いい考えが閃き、ロボットにトンネルを掘ってもらうことにした。「ドカン ドカン」と掘り進み、ちょうど掘り抜いたときに電池が切れてしまった。そのトンネルの入り口に、「学校へ近道」という看板を立てて帰宅した。

 

 家に帰ると、ママから「勉強もしないで、どこへいっていたの!!」と説教された。机に向かって宿題をしているとき、のび太は「ロボットの電池があるうちに、学校をこわしてわけばよかった」とつぶやいていた。かたわらのドラえもんは「むちゃいうな」と諭している。

[S1035A2316038002]