しあわせをよぶ青い鳥 []

[初出誌] 『しあわせをよぶ青い鳥』、「小学三年生」197911月号、9頁、62コマ

[単行本]  『しあわせをよぶ青い鳥』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第22巻」1981825日 初版第1刷発行、9頁、62コマ

[大全集] 『しあわせをよぶ青い鳥』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 1020101030日 初版第1刷発行、9頁、62コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 「きみをしあわせにしてみる」が「きみをしあわせにしてあげる」に変更[246(4)]

 

 [梗概] 学校では先生にギュウギュウ絞られ、家ではママにもこってりお説教、その上、バツとして、今月こづかいをもらえないので、のび太は「世の中で、ぼくほど不幸な人があるだろうか…。ぼくはもう…、ウ、ウ、ウ、…」と泣いて訴えていた。

 

  そのかたわらで、ドラえもんはわれ関せずといった表情を浮かべながら、マンガを読み、大きな口を開けて、「パク パク ムシャ ムシャ」とどら焼きをパクついていた。

 

 のび太は顔を真っ赤にして、「聞いてるの!?」と怒鳴ると、「いつものことだろ、めずらしくない」との返答に、「友だちのいうことばか! ぼくは不幸だ。ワ~」と前よりも大きな声で泣き崩れた。

 

  ドラえもんが「じゃあ、こづかいもらえたらしあわせになれるの」に、のび太は「今のところはね。こづかいくれるの!?」と乗り出してきたので、ドラえもんは「バカ!」と言いながらひみつ道具『「チルチルペンキ」と「ミチルあみ」』を出している。

 

  このひみつ道具はペンキを吹きつけた青い鳥を家に持ち帰れば、十五分間しあわせが訪れるというものである。

 

 早速、タケコプターを付けて、のび太がカラスを見つけると、「あまりかっこよくない」、スズメの場合は、「もう少し上品な鳥」と注文ばかりつけるので、ドラえもんににらみつけられ、スズメにペンキを吹きつけて青くしている。

 

  家に持って帰ると、ママから「さっきはおこりすぎたわ。おこづかいあげるから、これからがんばってね」と言われた。

 

 のび太はしあわせを売る男だと自称しながら、しずちゃんにしあわせにしてあげるというと、「いま、しあわせよ」、スネ夫からは「ハンサムで頭がよくて金もち」と言われてしまった。

 

  ジャイアンを見ると、「あっ、不幸そうな顔!! 不幸なのがいてよかった!」と口に出したので、ジャイアンから「ひとの不幸をよろこぶのか!!」と頭をたたかれてしまった。

 

  その上、歌の練習をしていたら、テープレコーダーが壊れたので、一時間以内に青い鳥を連れてこいと命令され、連れてこないとおまえがすごうく不幸になろぞと脅されてしまった。

 

 広場のドカンに一羽の鳥がとまっていたので、網で捕まえようとしたら、ドカンの中にいた人に網をかぶせてしまった。その人は借金取りに追い掛けられ、一万円借りただけなのに、利息が増えて百万円よこせと脅迫されていた。

 

  のび太はそのかわいそうな男性を助けるために、懸命に鳥を捕まえようとして、ペンキをプシュと発射すると、鳥ではなく、ひとりの怖いおじさんに吹きつけてしまった。

 

 この怖いおじさんは執念深く、逃げても逃げても追い掛けてきた。もうダメだと思って逃げ込んだ家は借金をした人の家であった。借金をした人が怖いおじさんを見ると、「借金とり!!」と叫んだ。

 

  すると、借金取りは「ワ~ ワシは、なんてざんこくな悪いやつだったのだろう」と謝り、借用証を破り捨てて、「金なんか返さなくていい」と言って帰って行ってしまった。

 

ジャイアンに会うと、「おまえがけとばしたら、直ったよ」と感謝された。しかし、のび太はジャイアンをけとばした記憶もなく、チンプンカンプンの心境であったが、何故か、ドラえもんからは「青い借金とりのおかげだ!」と説明されている。

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