ミニハウスでさわやかな夏[★★]
[初出誌] 『ミニハウスでさわやかな夏』、「小学三年生」1979年8月号、9頁、50コマ
[単行本] 『ミニハウスでさわやかな夏』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第21巻」1981年5月25日 初版第1刷発行、9頁、50コマ
[大全集] 『ミニハウスでさわやかな夏』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 10」2010年10月30日 初版第1刷発行、9頁、50コマ
【初出誌vs.大全集】
「ほんとに」が「ほんとね」に変更[216(7)]
「石油とかウラニウムとかがさ、地球からなくなっちゃうだろ」が「石油とかウラニウムとかさ、地球からなくなっちゃうだろ」に変更[220(4)]
【単行本vs.大全集】
「クーラーがこわれているんだろ」が「クーラーがないだろ」に変更[216(5)]
「きゅうにこしょうしたんだ、ごめんね」「クーラーが故障してるんだ、ごめんね」に変更[221(1)]
[梗概] のび太は夏休みの宿題を家でやろうとしずちゃんを誘っていた。そこへ、スネ夫がきて、全館冷房、冷蔵庫には食べ放題のアイスクリーム、庭の涼しい木かげなどの話をし、勉強には環境が一番だと言い出した。
すると、しずちゃんはスネ夫の家で勉強する気になってしまった。のび太が「キーッ」と奇声を発し、泣きながらママに全館冷房、アイスクリーム、涼しい木かげの話もしても、無駄な抵抗であった。
ドラえもんに相談すると、何だそんなことかと言われ、ひとまず目隠しをして、前に進むように言われた。のび太が目隠しをとると、広い庭、本物のプール、部屋も十ほどあって、すべてにクーラーが効いてとても気持ちよかった。
のび太は『ガリバートンネル』で、おもちゃの部屋に入っていたことに気づいた。
しかし、ドラえもんに言わせると、おもちゃではなく、エネルギーの無駄を省くためのひみつ道具『ミニハウス』というものであった。
「ミニハウス」はかん電池一本でクーラーもテレビをつけることができ、スプーン一杯の灯油で家中を温めることができた。地球のエネルギー資源が枯渇に向かっている現在、石油やウランなどのエネルギーを大切に使う必要がある。
しずちゃんがスネ夫の家で勉強していたが、クーラーも故障し、庭もすごい砂ぼこりであったので、のび太の家で勉強することになった。のび太がしずちゃんと勉強を始めると、ドラえもんが感心するほどまじめに勉強することができた。
勉強が終わると、一緒にプールで泳いだり、ジュースやアイスクリーをの楽しく飲んだり食べたりした。テレビの画面の「アッと驚くため五郎」を見て、二人は「アハハ アハハ」と笑い転げていた。
庭の外からそれを見て、うらやましくなったスネ夫はジャイアンと一緒に、うちわで火をあぶり、煙を「モク モク」出して、「火事だあ!!」と悲鳴を上げさせて、三人を「ミニハウス」から追い出してしまった。
三人を強引に追い出した後、無理やりにスネ夫は「ガリバートンネル」、ジャイアンは「ミニハウス」を借り出し、担いで運んでジャイアンの庭に設置している。
二人がプールでドッジボールを楽しんでいると、巨大なゴキブリが「ガサ ガサ」音を立てながら、プールに進入してきた。二人は悲鳴を上げながら、大急ぎで「ガリバートンネル」に避難している。
しかし、二人はトンネルの出入り口を間違えて、もっと小さくなるほうから中へ入ってしまった。ドラえもんは「風に吹き飛ばされてしまった」と考え、のび太も天眼鏡をかざしながら、「こりゃ、さがすのにほねがおれる」と思った。
[S1029・A2108・037908]