ひい木[★★]
[初出誌] 『ひい木』、「小学三年生」1978年8月号、7頁、48コマ
[単行本] 『ひい木』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第18巻」1980年1月25日 初版第1刷発行、7頁、48コマ
[大全集] 『ひい木』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 9」2010年8月30日 初版第1刷発行、7頁、48コマ
【初出誌vs.大全集】
「あーっ、どこへ投げてんだ!」が「ああっ、どこへ投げてんだ!」に変更[229(7)]
「スネ夫の分はなーんにもないざます!!」が「スネ夫の分はなあんにもないざます!」に変更[234(5)]
[梗概] 先生は顔を真っ赤にして、「あれほどいっておいたのに、宿題を忘れてくるとは!」と怒鳴り、みんなを廊下に立たせていた。
スネ夫も立っている姿を見て、先生から「骨川くんのようなもはん生までが? なにかよっぽどのわけがあったんじゃないのかね」と質問されると、スネ夫は「実は、ママが病気で、ゆうべてつ夜でかん病したんです」と答えたので、席に戻ってもいいと言われている。
立っているものたちはスネ夫ばっかりひいきしてと腹を立てていた。スネ夫が大人に対して調子のいい例として、のび太はスネ夫とキャッチボールをしていて、窓ガラスを「ガチャーン」とわり、家主の竹刀で「ピシッ」と叩かれていた。
のび太が「ちがうよっ。スネ夫が…」と言いかけると、スネ夫は「そう、ぼくにもぜんぜん責任がないとはいえません。だから、ぼくはちっとも悪くなくても、いっしょにしかってください」と申し出ると、「えらい! さすがに、スネ夫くんはいさぎよい、男らしい少年じゃ」と頭をなでなれた。
ジャイアンがどぶ掃除を熱心にしていると、スネ夫がやってくるおかあさん方の姿を見て、「ひとりでたいへんだろう」と代わってくれた。すると、「スネ夫さん感心ですわねえ」とおかあさん方にほめられることになった。
のび太もジャイアンもこんなことをゆるしておくことはできないと思った。家に帰ってこのことを話すと、ドラえもんはひみつ道具『ひい木』を出してくれた。
「ひい木」を付けて、ママが持ってきたおやつのスイカを食べようとしたら、ママから「悪いけどドラちゃんのはない」のと、言われたので、ドラえもんは「二つもあるのにひどい」と抗議している。「ひい木」を使うと、このようにえこひいきされることがよくわかった。
のび太がスネ夫をキャッチボールに引っ張り出し、意識して窓に「ポイ」とボールを投げて、ガチャンと割ると、竹刀を持った家主がでてきてスネ夫を「バシ バシ」と殴り出した。
のび太が「まあまあ、ぼくにも、まるっきり責任がないともいえないこともないから…」と謝ると、「りっぱ! のび太くんは見上げた少年である」と頭をなでられた。
ジャイアンがスネ夫のあとをついて、次から次へとごみ箱をひっくり返すと、近所の奥さんたちから「まあっ、スネ夫さん、なにしてるの?」と叱られ、ジャイアンが女の子のスカートをめくると、「スネ夫さんのエッチ!」と言われてしまった。
スネ夫の家で、ジャイアンはママから大歓迎を受けたが、「スネ夫の分はなあんにもないざます!」と、おやつを取り上げられてしまっている。
[S0930・A1803・037808]