むりやりトレパン[★★]
[初出誌] 『ムリヤリトレパン』、「小学三年生」1978年7月号、7頁、45コマ
[単行本] 『ムリヤリトレパン』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第17巻」1979年7月25日 初版第1刷発行、7頁、45コマ
[大全集] 『むりやりトレパン』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 9」2010年8月30日 初版第1刷発行、7頁、45コマ
【初出誌vs.大全集】
「少なくとも千キロ走らないと止まれない」が「少なくとも十キロ走らないと止まれない」に変更[224(3)]
[梗概] のび太のパパは健康マラソンのため、トレーニングパンツや運動靴を買っても、三回で終わってしまった。雨が降ったり、頭が痛かったりと言い訳しているが、ママからピシャリとめんどくさいんでしょと言われてしまった。しかし、のび太はパパの健康のため、ランニングを続けてほしいと思っいぇいた。
同感したドラえもんはひみつ道具『ムリヤリトレパン』を出し、はくと走らずにはいられなくなる状況を作り出している。パパが「ただ走るだけなんて、どんなにつまらないことか」と不平たらたらであったが、パパがはいてみると、「ズシ~ン グラ グラ」と揺れ出したので、地震と叫んで表に飛び出した。
地震じゃなく、ばかばかしいと思っていると、猛犬のしっぽを踏んだので、「ガウ」と追いかけられ、ものすごい勢いで走ることになった。
心臓が破れそうになって、木の上に避難していると、蜂の巣のある木の枝を「ボキ」と折ってしまったので、「ブウン」とハチに強襲された。「ヨロ ヨロ」になって、「走るのやめた! うちへ帰る!」と叫んでいると、出刃包丁を持った強盗が警官に追いかけられ、前にいたパパに「じゃまだ! もっと速く走れ!」と怒鳴られてしまった。
かろうじて、塀の脇に逃れると、酔っ払い運転の車が「ブーイ」と近づいてきた。パパがトレパンを脱ぎ捨てたので、やっと走らなくてもよくなった。
パパが往来においてパンツ一枚で立っているとき、「これというのものび太が、あんなものはかせたからだ!」と気づき、家で昼寝しているのび太を怒鳴りつけたので、再度、パンツのままのび太を追いかけることになった。
この光景を見て、ドラえもんは「トレパンの力はすごいなあ…。すてられたのに、まだ二人を走らせている!」と感嘆していた。
[S0929・A1705・037807]