ホラふきご先祖[★★★]

[初出誌] 『ホラのびさん』、「小学三年生」19776月号、7頁、49コマ

[単行本]  『ホラふきご先祖』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第14巻」1978125日 初版第1刷発行、8頁、54コマ

[大全集] 『ホラふきご先祖』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 82010630日 初版第1刷発行、8頁、54コマ

 

【初出誌vs.大全集】

 タイトル『ホラのびさん』が『ホラふきご先祖』に変更

 「ほんの二つ三つでいいんです」、「おもしろいホラを」コマ挿入[174(7)]

「こ、ここはどこだ」、「帰してくんろ~つ」コマ挿入[174(8)]

 

「ギューン」コマ挿入[175(9)]

「バリ  バリン」コマ挿入[176(7)]

「ターカイナ ターカイナ」、「超高層ビルの前でおどってる」コマ挿入[177(7)]

 

 [梗概] 先祖を調べる宿題で、のび太はパパから、おおボラを吹くので評判になっていたのびろべえの話を聞くことができた。百五十年ほど前の先祖であったので、タイムマシンに乗って調べに行くことにした。

 

 ホラのびさんは山奥に住んでいたので、出会った人にホラのびさんのことを聞いても、有名でないので知らないという返事であった。ただ、のびろべえなら知っているということで、家まで案内してもらうことができた。

 

 ホラのびさんの話をしても、「おらはホラなんかふかねえぞ」の一点張りであったので、ひとまずタイムマシンで現代に帰って、のび太の部屋でじっくり話を聞くことにした。タイムマシンに乗っているときも、「おらをどうする気だ。おまえたちはなにものだ。ギャーギャー」と大騒ぎであった。

 

 家で話を聞こうとしたが、顔を真っ赤にして、「命ばかりは…」と頭を何度も下げるので、話を聞けるような状態ではなかった。お茶でも飲んでもらうため、水道やガスを使うと、「ヒャア魔法だ」と叫んでいる。

 

  テレビで戦争映画をやっていたので、のびろべえは飛行機を見ると、「ヒャア~」と悲鳴を上げ、「え、え、絵が動いた!」とびっくりしている。

 

 飛行機の銃撃戦での「ダダダダ バリバリ ギューン」や戦車の「ゴ~ ズガーン」の音に、「ヒャ~」を連続してあげ、ついに、「バリ バリ」とふすまを破って外に飛び出してしまった。外では、自動車においかけられ、「ギャー 鉄のイノシシだあ」と絶叫して、逃げ回っている。

 

 気のどくになってきたので、昔の世界へ返してあげるため、タケコプターで探すことにした。超高層ビルの前で、「ターカイナ ターカイナ」と両手を挙げてわめいていたので、つかまえて、タイムマシンで帰ってもらうことにした。

 

 「フラ フラ」しながら、山奥の家に帰ろうとしたら、キセルでたばこを吸っている村の人から、「どこへ行ってきた?」と声をかけられた。不思議なことのいっぱいある仙人の国へ行ったとの返事であった。

 

  そして、村の衆を集めて、のびろべえは「鉄でできたけものや鳥が火をふいて…。絵が動く魔法のはこ。山より高い石づくりの建物」のことをとくとくと語り出した。家の外でドラえもんとのび太が話を聞いていると、村の衆は「はははは、なにをばかなことを! ホラばっかりふいて。これからのびろべえのことを、ホラのびとよぼう」と言っているのが聞こえてきた。

[S0822A1408037706]