家がだんだん遠くなる[★★]
[初出誌] 『すて犬だんご』、「小学三年生」1977年4月号、7頁、52コマ
[単行本] 『家がだんだん遠くなる』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第14巻」1978年1月25日 初版第1刷発行、9頁、66コマ
[大全集] 『家がだんだん遠くなる』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 8」2010年6月30日 初版第1刷発行、9頁、66コマ
【初出誌vs.大全集】
タイトル『すて犬だんご』が『家がだんだん遠くなる』に変更
「それを食べさせると、二度と帰って来なくなるんだ」が「それを食べさせると二度と来なくなるんだ」に変更[155(6)]
「でも、このへんならまだ道がわかる」コマ挿入[157(9)]
「こっちへむかって」、「歩けばいいのだ」コマ挿入[157(10)]
「なあんだ」、「ちゃんと帰れるじゃない」コマ挿入[158(1)]
「あっ、家を出たなっ」コマ挿入[158(6)]
「あれほどいったのに」、「さあたいへんだ!」コマ挿入[158(7)]
「おたずねします。ぼくの家は……」、「防犯運動」コマ挿入[159(4)]
「ありがとう」コマ挿入[159(5)]
「文字なし」コマ挿入[159(6)]
「虫のいどころが悪くて、つい意地悪した」、「お~い、いま教えたのはあべこべだよ」コマ挿入[159(7)]
「どうなってんだ!」、「歩けば歩くほどへんなところへ来るぞ」、「いやだあ!」コマ挿入[160(1)]
「もしもし」、「こんな子を見ませんでしたか」コマ挿入[160(2)]
「ええ、すぐそこを泣きながら歩いてる!」、「どうもありがとう!」コマ挿入[160(3)]
「ええ…」が「エ……」に変更[161(5)]
「落っこちたはずみにわすれちゃった」コマ転置[161(6)]
「カアー カアー」コマ挿入[161(7)]
「やっぱりさがしてもむだか……」、「あのダンゴを食べて家へ帰れたイヌはいないからな」、「もう二度とのび太には会えないんだよなあ」コマ転置[161(8)]
「さらばのび太」、「きみとの楽しかった思い出をぼくはわすれない。いつまでもいつまでも……」コマ転置[161(9)]
「文字なし」コマ挿入[162(1)]
[梗概] のび太は部屋においてあったおいしそうなひみつ道具『捨て犬ダンゴ』を食べてしまった。イヌやネコがこのだんごを食べると、二度と家に戻ってくることができなくなる。ドラえもんはのび太にぜったい家を出るなと念を押して、どこかへ出掛けている。
ママからお買い物を頼まれると、のび太は顔を真っ赤にし、涙を流しながら、「こんな時におつかいにいけなんて、あんたあそれでも親か!」と腹を立てている。ジャイアンやスネ夫が野球に誘うと、顔を真っ赤にして怒鳴るので、「二度とさそってやるか!」と捨て台詞を残して帰って行ってしまった。
実際は野球をやりたかったので、家でボールをもてあそんでいたら、買ったばかりのボールが窓から飛び出してしまった。門から外に出なければいいと思って、ボールを拾おうとしたら、いきなり、イヌに「ワン ワン」と吠えられ、「ワグ ワグ」と追いかけられることになった。
家からかなり離れてしまったが、よく知っている場所なので帰ろうとすると、ひとりの年輩の人から道を聞かれた。断ると、近頃の子どもは不親切と言われたので、いっしょに山田さんという家を探すことにした。
探している間に、見たこともないところへ来てしまったので、交番のおまわりさんに道を尋ねた。おまわりさんは虫のいどころが悪くてついいじわるをし、反対の方向を教えてしまっている。歩けば歩くほどへんなところへ来てしまった。
その頃、ドラえもんは顔写真を女学生に見せながら、探していると、すぐそこを泣きながら歩いていると教えてもらうことができた。ドラえもんが大きな声で「のび太あ」と呼ぶと、気づいたのび太が「ドラえもーん」と叫んで走り出すと、工事中のマンホールに落ちて気を失ってしまった。
気がつくとのび太は落っこちたはずみに、自分の家の住所を完全に忘れてしまっていた。ドラえもんは夕暮れ時に、「カアー カアー」と鳴いて家路に急ぐカラスを見ながら、「もう二度と、のび太にはあえないんだなあ」と落胆し、「さらばのび太。きみとの楽しかった思い出をぼくはわすれない。いつまでもいつまでも…」としんみりしながら、ひとり寂しく家路を急いだ。
のび太は夜になると歩けないほどおなかが「ペコ ペコ」になってしまった。イヌがなんだかうまそうに食べていたので、分けてもらって「ガツ ガツ ガツ」と食べると、気持ちが悪くなって、「オエー オエー」と全部吐いてしまった。だんごも一緒に吐いたので何とか家に帰ることができた。のび太は「すてられた犬の気持ちわかったよ」と言いながら出迎えたドラえもんに駆け寄っている。
[S0820・A1401・037704]