チョージャワラシベ[★★]
[初出誌] 『チョウージャワラシベ』、「小学三年生」1976年10月号、7頁、51コマ
[単行本] 『チョウージャワラシベ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第13巻」1977年4月25日 初版第1刷発行、7頁、51コマ
[大全集] 『チョウージャワラシベ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 7」2010年4月28日 初版第1刷発行、7頁、51コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] のび太が「グローブがやぶけちゃった、新しいのがほしいんだ。だして!」と気楽に言うので、ドラえもんは「だんだんえんりょがなくなってきたな」と思った。
ドラえもんが「ほしいからといって、なんでもかんでもかんたんに手に入ると思うのは考えがあまいぞ」と注意すると、のび太も「べつにかんたんに手に入れたいとは思わない、少しはむずかしくてもいいよ」という始末であった。ドラえもんは「ずうずうしいやつにはかなわん」と言いながら、ひみつ道具『チョウージャワラシベ』を出している。
ドラえもんはこのワラシベを一本使って、どら焼きをいかに手に入れるかを、のび太にデモしている。ドラえもんがワラシベをもって廊下を歩いていると、パパがそのワラシベを急いでもらい、鼻を「ムグ ムグ」いじって、大きなハクションをしている。
ああスッキリしたというので、ドラえもんは「あのワラシベは何かととりかえることになってるんだけど」と言うと、とても困っていた。しかし、パパは今拾ったきれいなガラス玉を代わりにくれた。
のび太は当てが外れたと思っていたら、ママがやってきて、「つくったばかりのスーツのボタンがなくなって、こまっていたのよ」と大喜びした後、「戸だなのドラやきを食べてもいいわよ」と言ってくれました。
ぼくの望みはグローブなので、ドラえもんから、このワラシベをもって根気よくうろつくんだと指示された。スネ夫の目の前で、このワラシベを「チラ チラ」させたが、何の反応もなかった。次に、しずちゃんにこのワラシベを見せると、「ストロー?」とつぶやいた後、この前飲んだクリームソーダの立替代金百円を請求されてしまった。
男の子がシャボン玉用のストローを落として泣いていたので、ワラシベを与えると、ドロップ一個もらうことができた。ドロップをもてあそんでいたら落としてしまい、「コロ コロ」転がり、ベンチで寝ていた男の人の口にスッポリ入ってしまった。
「パク カリカリ ムシャ ムシャ」と食べてしまったので、のび太は「グローブを食べちゃった!」と泣いて訴えた。すると、あげるものがないからと、代わりに新聞をもらうことになった。
グローブがさらに遠くなったと思いながら、歩いていると、トイレから「紙があったら、くれんかね」と手を出されたので、新聞紙をあげた。その男の人から「だいじなとりひきに行くところだった。おくれたらおおぞんするところだった。
なにかお礼をしよう」と言われた。その人がスポーツ用品店の社長さんだったので、立派なグルーブをもらうことができた。
この話を聞いたジャイアンは、強引にのび太からワラシベを手に入れ、おれはモデルガンがほしいのだと、大急ぎでうろつき回り出した。すると、工員さんの運ぶ、「亜原ハウス モデルルーム」と書いた大きな看板に「ガン」と、ジャイアンは後頭部をぶつけてしまった。それを見て、ドラえもんは「はい、それがモデルガン」と快哉を叫んでいる。
[S0720・A1309・037610]