XYZ線カメラ[★]
[初出誌] 『XYZ線カメラ』、「小学三年生」1976年2月号、5頁、36コマ
[単行本] 『XYZ線カメラ』、「てんとう虫コミックス ドラえもん第10巻」1976年4月25日 初版第1刷発行、5頁、36コマ
[大全集] 『XYZ線カメラ』、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 6」2010年3月30日 初版第1刷発行、5頁、36コマ
【初出誌vs.大全集】
変更なし
[梗概] のび太が本屋さんで立ち見をしていたら、店の主人にはたきで「パタ パタ」はたかれ、追い出されてしまった。一週間でやっと半分立ち読みしたが、もうあの店には行けないと思った。ドラえもんに「つづきが気になって落ちつかない」と訴えると、ドラえもんはひみつ道具『XYZ線カメラ』を出してくれた。
本屋さんへ行くと、「またきた!」と言われたが、ドラえもんが主人に「立ち読みしなきゃいいんでしょ」と尋ねると、「そりゃそう」だと言うことになった。
読みたい本を開かないで、このカメラで表紙を「カシャ カシャ カシャ」と写すと、中味を全部きれいに写すことができた。のび太はほかにも使い道がありそうであったので、しばらく借りることにした。
ママのお客さんがほんのつまらない物ですと言いながら、風呂敷につつんだものをプレゼントしてくれた。のび太がカメラでこのプレゼントを写すと、石けんであったので、「ほんとにつまんないものだ」と言うと、ママは恐縮し、お客さんはほんとにビックリしている。
往来では、スネ夫が小さい男の子から「キャンデーをかえしてよ」と言われていた。スネ夫は両手を大きく開いて「ほら、もってないだろ」というので、このカメラを使って、シャツの下に隠して、ヘソのあたりにあると指摘すると、スネ夫はとても驚いている。
しずちゃんに会うと、珍しいカメラといわれ、一枚写してよと頼まれた。のび太は焦って、「そ、そんな! と、とんでもない!」と断ると、「フイルムがおしいんでしょ」と言われてしまった。
「しずちゃんのためを思ってうつさないのに…」、しかし、気が変わり、「うつしてやるか! 本人のきぼうだから」と思いながら、OKサインを出すと、「おようふくをきがえてくるわ」と言いだした。しかし、「ふくなんかうつらないから」と告げると、「どういういみよ」と尋ねられた。
のび太は顔を赤らめ、「せめて後ろにすべきかなあ」と話すと、「へんなことばかりいっていないではやく!」と急き立てられた。のび太が思い切って、シャッターを「カシャ」と押して、写真を見ると、フイルムがなくなっていることに気づいた。のび太は「がっかりしたような、ほっとしたような…」複雑な心境で、頭をかきながら家路に向かった。
[S0635・A1009・037602]