スパイ衛星[★★]

【道具解説】 ひみつ道具である『スパイ衛星』を一度軌道に乗せると、いつでも相手の様子を探り出すことができるようになる。

 

【使用目的】 ドラえもんが「スパイ衛星」を使うと、いつもいたずらするのはスネ夫であることが判明した。

 

【使用結果】 のび太は「スパイ衛星」でスネ夫の動向を調査していた。その結果、よその玄関のブザーをこっそり押すといういたずらの犯人は、スネ夫であることが判明した。

 

  のび太が「あそこを通る子どもがみんなうたがわれて、めいわくしてるんだ。やめろよな」と注意すると、スネ夫は「なんだと。ぼくがそんなくだらないひきょうないたずらをするもんか」と居直るので、スネ夫にいたずらの決定的な写真を見せている。

 

 ドラえもんはのび太が調子に乗ってこの衛星を悪用しそうなので、「もう、きみにはかさない!」と宣言している。のび太がこの衛星に釣り糸を結びつけておいたので、ドラえもんが部屋を出るとき、「四次元ポケット」から「スポ」と取り出すことに成功している。

 

 「スパイ衛星」は一ダースあったので、のび太はのぞき見ではなく、人を助けるためにこれを使おうと心に決めて出掛けた。そして、のび太はジャイアン、しずちゃん、安雄、はる夫、スネ夫などに全部の衛星を取り付けることができた。

 

  最初にモニターに写ったはる夫を追跡すると、散歩中に落ちていた財布を拾い、「財布がもうかった」と喜んでいたので、「ダッ」と現場まで走り、のび太は「それは、交番にとどけるべきだと思うよ」と注意している。

 

 しずちゃんはお風呂に入って、「また、ふとったみたいだわ。ごはんをへらそうかな」とつぶやいているので、早速電話をかけて、親切に「しずちゃん、ふとってなんかいないよ、安心してごはんを食べなよ」とアドバイスしている。ジャイアンをモニターで見ると、ドカンのある広場で歌の練習をしていた。

 

  「日曜の朝から夜まで、休けい二回をはさんで、ぶっとおしのワンマンショー!! ひみつに準備をすすめてきたが、発表したら、みんなよろこぶぞ」とひとりはしゃいでいた。それを聞いて、のび太は「ガーン」と大きなショックを受け、「じょうだんじゃない!! あの有毒音波を一日中聞かされたら死んでしまう」と大騒ぎしていた。

 

 みんなと相談するために出掛けると、スネ夫がドラえもんからなにかを借りて、みんなのすることを見ているんだという話が聞こえてきた。

 

  それに対して、しずちゃんは「それがほんとならゆるせないわ!」、はる夫も「のぞき見するなんて。今にしょうこをつかんで…」と猛烈に腹を立てて、抗議していた。のび太は「ドラえもんに、相談するわけにもいかない、よわったなあ」と頭を悩ましていた。

 

  モニターで確認すると、ジャイアンは「夢のリサイタル」の入場券を完成し、着々とリサイタルの準備を進めていた。「一人でも、もらいそこねるやつがいたらかわいそうだ」と言いながら、入場券を配りに出掛けようとしていた。

 

  のび太は一度は遠くへ逃げようと思ったが、「友だちが災難にあうのをみすてて、自分だけにげるなんて、ひきょうだぞ」と思い直して、モニターを見詰めると、ジャイアンはかあちゃんに買い物を頼まれていたが、「イテテ…」と足が痛いといって買い物を断っていた。

 

 その後、舌をペロリと出して、左手に靴を持って、窓からでようとしていた。のび太は早速、タケコプターで現場に出かけ、屋根の上から、往来を歩いているジャイアンに対して、「リサイタルを中止しろ。もしやめないと…、さっきうそついたことを…。おばさんにおしえるぞ」と厳かに語り、窓から出ようとしているジャイアンの決定的な写真を「ヒラ ヒラ」と足下に落とした。

 

 スネ夫やしずちゃんたちは冷たい表情で、のび太のことを「ヒソ ヒソ」と噂していた。のび太が「なんだなんだ。ぼくのおかげでたすかったのもしらないで。恩しらず!!」と叫んでも、全く真意が通じなかった。

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